ハマス 人質のうちタイ人12人を解放 タイ首相が発表

ガザ地区を実効支配しているイスラム組織ハマスが拘束していた人質のうち、24日、タイ人12人が解放されたとタイの首相が発表しました。ハマスとイスラエルの間で4日間の戦闘休止が始まってから人質が解放されるのは初めてです。

ハマスは子どもや女性の人質50人を解放することでイスラエル側と合意していますが、タイ人の12人はこの合意とは別に解放されたとみられます。

タイのセター首相は自身のSNSで「12人のタイ人の人質が解放されたことを確認した。大使館の職員が迎えにいっているところだ」と明らかにしました。

タイ外務省「残りの人質も安全に解放されること願っている」

また、タイの外務省は24日「12人のタイ人の人質が解放された。タイ政府は交渉に関わったすべての関係者に感謝したい。残りの人質も安全に解放されることを願っている」と発表しました。

タイ政府は、人質が解放される前の時点でイスラム組織ハマスによる大規模な奇襲攻撃により、これまでにタイ人39人が死亡、26人が人質となっているとしていました。

約5000人のタイ人がガザ地区近くで働いていたか

タイはイスラエルにいる外国人労働者の主な出身国の一つで、タイ政府によりますと、およそ3万人のタイ人がいてその多くが農場などで働いていたということです。

このうちおよそ5000人のタイ人がガザ地区近くで働いていたとされていて、10月7日のイスラム組織ハマスによる大規模な奇襲攻撃の際、襲撃されました。

タイ政府は、外相が10月31日から11月2日まで中東のカタールとエジプトを訪問し、人質の解放に向けた協力を呼びかけていました。

またイスラエルで働くタイ人の多くは貧しい農村部出身の若者だといわれていますが、タイ政府はハマスによる襲撃のあと、イスラエルにいるタイ人労働者の退避を進めてきました。