憲法違反の司法判断受け 手術なしで性別変更手続き開始 浜松市

戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする法律の規定は、憲法に違反し無効だとして、静岡家庭裁判所浜松支部が10月、手術を受けていなくても性別を変更することを認めたことを受けて、浜松市役所が法務局の了承を得て、申立人の戸籍上の性別を変更する手続きを始めたことがわかりました。

静岡県浜松市に住み、戸籍上の性別は女性で男性として社会生活を送るトランスジェンダーの鈴木げんさん(48)が行った申し立てについて、静岡家庭裁判所浜松支部は10月、戸籍上の性別を変更するには生殖腺を取り除く必要があるとする法律の規定は憲法に違反して無効だとする司法判断を示し、手術を受けていなくても戸籍上の性別を変更することを認めました。

これを受けて、浜松市役所が法務局に問い合わせたところ、24日、法務局から「裁判所の判断どおりの戸籍変更を認める」という内容の文書が届き、戸籍上の性別を変更する手続きを始めたことが市への取材で分かりました。

市によりますと、12月上旬にも鈴木さんの性別の表記は女性から男性に変更される見通しです。

鈴木さんは「これで突然、自分のものではない性別を突きつけられる不安がなくなって、多くの人にとって当たり前の生活が僕にも来るんだとほっとしています。なによりこれで自分に自信を持つことができると思っています」と話しています。