自民派閥など去年の政治資金収支報告書 不記載 約600万円

NHKが、24日総務省が公表した去年1年分の政治資金収支報告書を調べたところ、自民党の4つの派閥と1つの議員グループの政治団体に対して支出された「パーティー券購入」や「会費」など少なくともあわせておよそ600万円分について、これらの政治団体側には収入として記載されていなかったことがわかりました。

NHKは、24日総務省が公表したおよそ3000の政治団体の去年1年分の「政治資金収支報告書」を、AIに画像認識させるとともに、取材班の記者などが確認を行って独自に調査しました。

その結果、自民党の4つの派閥と1つの議員グループの政治団体に対し、ほかの団体から「パーティー券購入」や、「会費」などとして支出されていたうち、少なくともあわせて606万円分が、派閥や議員グループの政治団体側の収入として記載されていなかったことがわかりました。

政治資金規正法は1回の政治資金パーティーで同じ人や団体から20万円を超える支払いを受けた場合は、名前や金額などを収支報告書に記載しなければならないと定めています。

記載されていない収入の内訳は、「志帥会」二階派が、4つの政治団体からの286万円分、「志公会」麻生派が、2つの政治団体からの182万円分、「清和政策研究会」安倍派が、1つの政治団体からの28万円分でした。

また、「近未来政治研究会」森山派が、1つの政治団体からの30万円分、政界を引退した谷垣元総裁を中心とする議員グループ「有隣会」が1つの政治団体からの80万円分でした。

NHKの取材に対し、4つの派閥と議員グループは、「すでに訂正をした」または、「事実を確認し、適切に対応する」などと回答しています。

自民党の派閥の政治資金をめぐっては「清和政策研究会」、「志帥会」、「平成研究会」、「志公会」「宏池政策研究会」が、おととしまでの4年間の政治資金収支報告書に、それぞれが主催した政治資金パーティーに20万円を超える支出をした団体の名前や金額など、あわせておよそ4000万円分を記載していなかったとして、大学教授が会計責任者らに対する政治資金規正法違反の疑いでの告発状を提出しています。

国会で野党による追及が強まる中、5つの派閥は、岸田総理大臣の指示を受けて、収支報告書の訂正を行ったことを明らかにしています。

志帥会の事務局「事実を確認し適切に対応」

NHKの取材に対し、志帥会の事務局は、「拝受した質問書に記載されている点につきましては、事実を確認し適切に対応してまいります」とコメントしています。

志公会の会計責任者「事実を確認し適切に対応」

NHKの取材に対し、志公会の会計責任者は、「ご指摘いただきました点については、事実を確認した上で、適切に対応して参ります」とコメントしています。

清和政策研究会の事務局「事実を確認し適切に対応」

NHKの取材に対し、清和政策研究会の事務局は、「ご指摘の点については、事実を確認し適切に対応します」とコメントしています。

近未来政治研究会「本日早急に訂正」

近未来政治研究会は、NHKの取材に対し、「ご指摘を受け確認を致しましたところ、当該対価を支払っていただいた政治団体からの各支払額は、すべて事業収入に計上していることを確認しています。ただしご指摘のとおり、併せて20万円超であることを把握できておりませんでしたので、本日早急に訂正します」とコメントしています。

近未来政治研究会は、NHKが指摘した30万円の不記載に加えて、4万円の不記載もあったとして、きょう、訂正をしたということです。

有隣会の事務局「事務的な記載漏れで訂正」

NHKの取材に対し、有隣会の事務局は、「事務的な記載漏れで訂正させていただきました」とコメントしています。