木原防衛相 “北朝鮮発射 何らかの物体 地球の周回軌道に”

木原防衛大臣は北朝鮮が今月21日に衛星の打ち上げを目的に弾道ミサイル技術を使って発射したものについて、何らかの物体が地球の周回軌道に投入されていることを確認したと明らかにしました。

北朝鮮は今月21日、衛星の打ち上げを目的に弾道ミサイル技術を使用したものを発射し、翌日、「衛星の打ち上げに成功した」と発表したのに対し、日本政府はその時点では地球の周回軌道への衛星の投入は確認されていないとしていました。

これについて木原防衛大臣は24日の閣議のあと、記者団に対し、「アメリカや韓国と連携し、分析を進めた結果、北朝鮮が発射した何らかの物体が地球を周回していることを確認した」と述べました。

その上で、北朝鮮の意図どおりに衛星としての機能を果たしているかどうか、引き続き、分析を進める考えを示しました。

また、韓国軍が翌日には「衛星は軌道に進入したものと見られる」という見方を示していたことについて、木原大臣は「公表を行うタイミングについてはそれぞれの総合的な判断でなされると考えている。防衛省としては慎重に精査しつつ、わが国の安全保障に及ぼす影響などを総合的に勘案した上で公表してきている」と述べました。

松野官房長官「詳細について慎重な分析が必要」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で、「分析を進めた結果、北朝鮮が発射した何らかの物体が地球を周回していることを確認した。一方で、この物体が北朝鮮が意図したとおりの軌道を周回し、機能を果たしているかといった詳細については引き続き慎重な分析が必要だ」と述べました。

そのうえで、「北朝鮮のミサイル技術の著しい向上を見過ごすことはできず、今後も衛星の打ち上げを目的とした発射を強行する可能性は考えられる。政府としては国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、引き続き、わが国の防衛に万全を期していく」と述べました。