10月の消費者物価指数 去年同月比2.9%上昇

家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる10月の消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が去年の同じ月より2.9%上昇しました。電気代などの負担軽減策による補助金が減少したことで、上昇率は4か月ぶりに拡大しました。

総務省によりますと、10月の消費者物価指数は生鮮食品を除いた指数が2020年の平均を100として、去年10月の103.4から106.4に上昇し、上昇率は2.9%でした。

上昇率は前の月から0.1ポイント上がり、4か月ぶりに拡大しました。

政府の負担軽減策による補助金が半減したことで、「電気代」や「都市ガス代」の下落幅が縮小したことなどが主な要因です。

2%台となったのは2か月連続です。

一方、「生鮮食品を除く食料」は去年の同じ月より7.6%上昇し、前の月から1.2ポイント鈍化したものの、高い水準が続いています。

具体的には
▽「牛乳」は19.8%
▽「調理カレー」は16.4%
▽「アイスクリーム」は12.1%
▽「食パン」は7.9%
▽国産品の「豚肉」は5.9%上昇しています。

また、
▽「宿泊料」は観光需要の回復などを背景に42.6%上昇したほか
▽「台所用洗剤」は19.1%
▽「携帯電話の通信料」は10.9%上がっています。

総務省は「食料の上昇率は依然として高い水準だが、企業側の価格転嫁が進んだことや原材料の価格が落ち着いてきていることから、足元でやや鈍化している。原油価格の動向なども注視していきたい」としています。

クリスマスケーキの値上げも 仕入れ価格の上昇で

クリスマスを前に、東京 世田谷区の洋菓子店ではクリスマスケーキの予約の受け付けを10月30日から始めています。

店は2021年12月から営業を開始し、去年は客離れを懸念してクリスマスケーキの価格を据え置きましたが、ことしは値上げに踏み切りました。

店舗での販売価格は直径12センチ、2人から4人向けの4号サイズで4500円と300円値上げしました。

店によりますと、原材料の仕入れ価格が上昇したため価格転嫁をせざるをえないといいます。

バターや生クリームの仕入れ価格はことし4月に8%から10%ほど上がりました。

仕入れ先からは、2024年1月にはさらに同じ程度の値上がりがあると連絡を受けているといいます。

このほか、ケーキなどに使うチョコレートの仕入れ価格はことし4月からおよそ20%上がっています。

仕入れ先からは、主な要因はカカオ豆の価格が生産地の天候不順などで上がっていることや円安などの影響だと説明を受けました。

この店では定期的にケーキを購入する客からの予約は去年より増えると期待していますが、予約数全体でみると値上げによって落ち込む可能性があると懸念しています。

「パティスリーショコラトリーレシィ」の寺崎貴視 店長は「さまざまなものが値上げされているので価格に転嫁していかないと、企業努力だけでは吸収できないのでやむをえない部分があると思います。値上げについてお客さまからの理解を得られるように取り組みたい」と話しています。

おせち料理 輸入食材高騰 一部を国産に “値上げしない努力”

物価の上昇が続く中、栃木県小山市にある工場では冷凍販売用のおせち料理の製造がピークを迎えています。

工場では、百貨店や通信販売、それに個人向けのおよそ50種類のおせち料理を製造しています。

できあがった商品は冷凍の技術を活用してマイナス34度から36度の状態にして専用の倉庫で保存したり、百貨店などに順次、配送したりしています。

冷凍販売用のおせち料理の製造はことし6月から始まり、正月を前にいま、ピークを迎えています。

24日も工場には従業員およそ30人が出てえびや栗きんとんなどをお重に盛りつけていました。

このメーカーでは円安などによる輸入食材の値上がりを受けて一部を国産品に変更しました。

このうち、サーモンはノルウェー産などを仕入れていましたが、ロシアのウクライナ侵攻による空輸ルートの変更で輸送コストが上昇したり、円安の影響もあり、仕入れ価格は上がっていました。

会社では円安で仕入れコストがさらに増える可能性があると考え、ことし5月からは北海道産に変更しました。

会社によりますと、食材などをほかのメーカーと共同で購入することなどで仕入れコストを3%ほど削減し、値上がりが相次ぐ中でも去年と同じ程度の金額にすることができたといいます。

予約数は巣ごもり需要が落ち着いたことから、去年の同じ時期よりも少ないですが、3万円以上の商品の売れ行きは好調だとしています。

「ベルフーズサービス」の大貫哲也 社長は「値上げをしないために企業努力でなんとかしようと取り組んでいる。円安による仕入れコストの増加は厳しいと感じている」と話しています。

おもちゃの値上げ品目数は去年から減少

大手おもちゃメーカーは、ことしも商品の一部を値上げしています。

商品への価格転嫁が進んだなどとして値上げされた品目数は、去年から減少しています。

このうち
▽「タカラトミー」は、原材料となる樹脂材や亜鉛合金などの価格の上昇を受け、ミニカーの「トミカ」や鉄道模型の「プラレール」、人形の「リカちゃん」など合わせて73品目の価格をことし6月1日の出荷分から平均で8.5%引き上げました。

去年9月の出荷分からは331品目を平均10.4%値上げしていて、それと比べると品目の数は減少しています。

▽また
「セガトイズ」もことし4月からぬいぐるみなど48品目のおもちゃを値上げしています。

去年9月に値上げした73品目と比べると少なくなっています。

▽「バンダイ」は、去年10月とことし1月の出荷分から合わせて284品目を値上げしました。

会社によりますとその後の値上げはカードゲームなどの一部になっているということです。