【詳細】パレスチナ ガザ地区 4日間の戦闘休止期間に入る

カタール外務省は23日、イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの合意に基づき、日本時間の24日午後2時から4日間、戦闘が休止され、午後11時ごろには、ハマスが拘束している人質13人がまずは解放される予定だと発表しました。

※イスラエルやパレスチナに関する動きを随時更新でお伝えします。

エジプト政府 “ハマスに拘束の人質25人 解放される見通し”

エジプト政府は24日声明を発表し、イスラム組織ハマスに拘束されていた人質のうち、イスラエル人の子どもや女性13人に加えタイ人12人の合わせて25人が、解放される見通しだとしています。

イスラエル保健省 “人質解放後は心身のケア”

イスラエル保健省の担当者はテルアビブ市内で会見し、ハマスに拘束されている人質が解放された場合のイスラエル政府の対応について説明しました。

説明によりますと、解放される予定となっているのは子どもやその母親だということで、まずはイスラエル軍の関連施設で数時間、面談などをしたあと、6つの病院に移動し、医療関係者による心身のケアを受けるということです。

イスラエル保健省の担当者は「人質になっている人たちは深刻なトラウマに耐えてきた。解放された後も彼らの言動を注意深く観察する必要がある」と述べました。

イスラエル パレスチナ人の囚人39人釈放見通しか

イスラエルのメディアはイスラエル当局の話として24日、ハマス側の人質解放と引き換えにイスラエルの刑務所で収容されているパレスチナ人の囚人39人が釈放される見通しだと伝えています。

ロイター通信はパレスチナ側の話として39人のうち24人が女性で、15人が10代の男性と伝えています。

39人はICRC=赤十字国際委員会に引き渡される予定だということです。ロイター通信はパレスチナ人の囚人が引き渡される場所とされるヨルダン川西岸にあるオフェル刑務所の様子を伝えています。

イスラエル軍 シファ病院のトンネル破壊したとする映像公開

イスラエル軍は24日、イスラム組織ハマスが使っていたとするシファ病院の敷地内にある地下トンネルを破壊したとする映像を公開しました。

SNSに投稿された映像では建物周辺で複数の爆発が起きて土ぼこりが巻き上がり、「テロ組織ハマスの軍事拠点を攻撃した」とする字幕が付けられています。

イスラエル軍はシファ病院の地下トンネルの破壊は24日早朝に行ったとしています。

イスラエル軍「燃料とガス ガザ南部の国連機関に」

イスラエル軍は現地時間の24日午前9時半すぎにSNSへの投稿で「燃料を積んだトラック4台、調理用のガスを積んだトラック4台が、いずれもエジプトからラファ検問所を通って、ガザ地区南部の国連機関に運ばれた。

これは戦闘休止と人質の解放の枠組みのなかで、イスラエル政府が認めたものだ。これらはガザ地区での人道支援のために使用される」などと明らかにしました。

ラファ検問所に人道支援物資積んだトラック

ガザ地区が戦闘休止の期間に入る中、24日の午前8時過ぎ、人道支援物資を積んだトラック50台以上が隣国エジプトからガザ地区に向けて境界のラファ検問所に相次いで入りました。

現地からの映像ではガザ地区への搬入に向けてさらに多数のトラックがエジプト側で待機している様子がうかがえます。

ハマスやエジプト政府は合意に基づく人道支援物資の搬入について、
▽支援物資と医薬品を積んだトラックが1日あたり200台、
▽13万リットルの燃料、
▽それに調理用のガスを積んだトラック4台が搬入される予定だとしています。

イスラエル軍 「戦闘休止に関連した準備完了」

イスラエル軍は戦闘休止の期間に入った1時間後の現地時間24日午前8時に「戦闘の休止に関連した準備は完了した」などとSNSに投稿し、戦闘休止の合意を順守する姿勢を示したものとみられます。

戦闘休止後のガザ地区 攻撃や爆発の音聞こえず

ガザ地区が現地時間の24日午前7時から戦闘休止の期間に入る中、その30分後に南部ラファでNHKのガザ事務所のスタッフが撮影した映像では、多くの人が市場で買い物をする様子が確認できます。

店先には野菜や果物、肉などが並べられていて、攻撃や爆発の音は聞こえません。

女性の1人は「これは本当の停戦ではありません。たった4日間であり、その後攻撃は激化するかもしれません。多くの人が避難生活を余儀なくされています。長期間の停戦が必要です」と訴えていました。

AP通信 戦闘休止の期間も黒煙

AP通信によるガザ地区の中継映像では、戦闘休止の期間に入った日本時間午後2時すぎから、黒い煙が上がっています。

戦闘によるものかどうかなど、詳しいことは今のところ、分かっていません。

24日14:00(日本時間) ガザ地区 戦闘休止期間に入る

パレスチナのガザ地区では、日本時間の24日午後2時から、イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが、合意に基づく、4日間の戦闘休止期間に入りました。

先月始まった一連の衝突以来、合意に基づく形での戦闘の休止は初めてとなりますが、過去には合意がたびたび破られた経緯もあり、人質の解放も含めて着実に履行されるかが焦点です。

イスラエル軍「戦闘休止は一時的 住民は南部に」

イスラエル軍のアラビア語の報道官は24日、戦闘休止の期間が始まる直前にSNSを通じてガザ地区の住民に向けて声明を出し、「戦争はまだ終わっていない。人道目的での戦闘休止はあくまで一時的だ」と強調しました。

その上で「ガザ地区北部は危険だ。安全確保のため、住民は南部にとどまらなければならない。北部に移動してはならない」と述べ、北部から南部に退避している住民に向けて戦闘休止の期間中に自宅などがある北部に戻らないよう要求しました。

イスラエル軍報道官「戦争の次の段階に向けて準備に集中」

戦闘休止を前にイスラエル軍のハガリ報道官は現地時間の23日夜、「ガザ地区北部の制圧は長い戦争のうちの第1段階で、われわれは次の段階に備えている。今後の数日間は戦争の次の段階に向けて計画と準備に集中するつもりだ」と述べました。

イスラエル軍としては戦闘休止の期間中、合意に基づく形でガザ地区内に部隊をとどめ、休止の期間が終われば、軍事作戦を再開する姿勢を示した形です。

一方、イスラム組織ハマスが拘束している人質の解放について、最初に解放される子どもと女性の名前のリストを受け取ったとしたうえで、「最後まで何があるか分からない。この枠組みは人質返還のプロセスの終わりではなく始まりだ。我々はすべての人質を帰国させるために全力を尽くす」と述べています。

ハマスの軍事部門「長期戦に向けてあらゆる準備」

ハマスの軍事部門カッサム旅団の報道官はビデオ声明で、「今回、イスラエルが合意した戦闘の休止の条件はわれわれが地上侵攻前に提示していたものと同じ内容だ。敵は当初、それを拒否し、軍事力で結果を出せると主張していた」と述べ、イスラエル側の合意が遅れたために住民の犠牲者が増えたとして批判しました。

また、「われわれは長期戦に向けてあらゆる準備ができている」と述べ、ガザ地区での戦闘が行われる限り、徹底抗戦を続けるとしてイスラエルをけん制しました。

イスラエル国防相「戦闘は少なくとも2か月は続く」

イスラエルの複数のメディアは23日、ガラント国防相が海軍の基地を激励に訪れたと伝えています。このなかで、ガラント国防相は今回の戦闘の休止について、「これは短い休止にすぎない。その後は激しい戦闘が続き、人質解放のためにハマスへの圧力をかけることになる。戦闘は少なくとも2か月は続くだろう」と述べたということです。

イスラエル軍がシファ病院の院長拘束

イスラエル軍は23日、イスラム組織ハマスの重要な拠点があったと主張して突入したガザ地区北部にある最大の病院、シファ病院の院長を拘束し、治安機関による尋問のため移送したと発表しました。

イスラエル軍はシファ病院が院長の直接的な管理のもと、ハマスの拠点として使用されてきたという証拠に基づいて拘束したと主張しています。

これに対し、ガザ地区の保健当局はWHO=世界保健機関を通じて、シファ病院から南部への退避が行われていた中で、院長や医療従事者がイスラエル軍に拘束されたとしたうえで、拘束の責任は国連にもあると反発しています。

そのうえで、WHOに対して事実関係の報告を求めるとともに、拘束された全員が解放されるまでWHOとの連携を停止するとしています。

NYで恒例の感謝祭 戦闘終結訴える動きも

アメリカ・ニューヨークでは、毎年恒例の感謝祭のパレードで、ガザ地区での戦闘の終結を訴える動きがみられました。

感謝祭は17世紀にアメリカに入植した人たちが先住民とともに豊作を祝ったことに由来する祝日です。

マンハッタンで23日に行われた恒例のパレードでは、人気アニメのキャラクターをかたどった巨大な風船やマーチングバンドなどが通るたび、沿道に集まった見物客が手を振ったり、歓声をあげたりして楽しんでいました。

一方、ことしはSNSでの呼びかけに応じて、沿道でパレスチナの旗をかかげ、停戦を訴える人たちの姿もみられました。

旗を振っていた33歳の男性は「アメリカでは感謝祭を祝っているが、今もパレスチナの人たちは毎日のように殺されたり爆撃されたりしている。戦闘の休止はいいことだが、私たちは停戦、戦争の終結、そしてアメリカがイスラエルの支援をやめることを求める」と話していました。

また、35歳の女性は「戦闘の休止は一時的なもので、数日後には殺りくが繰り返されることになる。戦闘の休止は停戦とは違い、それでは不十分だ」と話していました。

イスラエルとハマスの衝突を受けて、FBI=連邦捜査局はアメリカ国内でテロが起きる危険性がここ数年で最も高くなっているという認識を示していて、この日も大勢の警察官の姿がみられ、警戒感が高まる中でのパレードとなりました。

戦闘休止は現地24日午前7時(日本時間 24日午後2時)からと発表

イスラエルとハマスの仲介を担っているカタールの外務省報道官は23日記者会見し、双方の合意に基づき、24日の午前7時(日本時間の24日午後2時)から4日間、戦闘を休止することになったと発表しました。

また、合意でハマスが解放するとしているガザ地区で拘束されている子どもと女性の人質50人のうち、13人が24日の午後4時ごろ(日本時間の午後11時ごろ)に解放される予定だとしています。

会見では合意の履行の遅れについて問われたのに対し、報道官は「人質が解放される過程で危害が及ばないようにしたかった」と述べ、慎重に協議を重ねていたと強調しました。

ハマス 軍事作戦停止や人道支援について投稿

ハマスもSNSの投稿ですべての軍事作戦の停止と人質の解放、それにイスラエルの刑務所に収監されているパレスチナ人の釈放が24日午前7時から4日間、実行に移されると発表しました。

また、ハマスはガザ地区への人道支援について、1日に200台の支援物資と医薬品を積んだトラックと燃料などを積んだ4台のトラックが入る予定だとしています。

イスラエル首相府「最初の名簿を受け取った」

イスラエル首相府は「イスラエルは最初の名簿を受け取った。担当者が詳細の確認を進めており、家族と連絡を取っている」とする声明を発表しました。