国際

米軍 北朝鮮の軍事偵察衛星 高度500キロ前後で地球周回と分析

北朝鮮が打ち上げに成功したと発表した軍事偵察衛星だとする物体について、アメリカ軍は、高度500キロ前後をおよそ1時間半の周期で地球を周回していると分析しています。

北朝鮮は今月21日、軍事偵察衛星「マルリギョン1号」を正確に軌道に進入させることに成功したと発表し、来月1日から正式に偵察任務に着手するとしています。

防衛省は24日、何らかの物体が地球を周回していることを確認したと明らかにした一方、衛星としての機能を果たしているかは引き続き分析を進めるとしています。

この物体について、宇宙の監視などを行っているアメリカ宇宙軍は、インターネット上のサイトで地球を1周する周期や地上からの高度などの情報を公開しています。

それによりますと、周期はおよそ94分、赤道との角度を示す軌道傾斜角はおよそ97度で、北極付近と南極付近の上空を通過する軌道を周回しています。

また、高度は493キロから512キロだということです。

防衛省関係者によりますと、これらのデータからこの物体は、地球の自転によって上空を通過する場所を変えながら1日に地球を15周し、北朝鮮が偵察したい地域の上空を1日2回、通過するとみられています。

専門家「高度や軌道は一般的」

人工衛星や弾道ミサイルに詳しい専門家は、北朝鮮が打ち上げた物体が軍事偵察衛星としての機能を持っているかは不明だとしたうえで、高度や軌道については一般的なものだと指摘しています。

海上自衛隊の元海将の香田洋二さんは、北朝鮮が打ち上げた物体が高度500キロ前後で地球を周回しているとみられることについて「偵察衛星は高度が低ければ低いほどよりよい画像が撮れるが、高度が低すぎると地球の空気抵抗で早く燃え尽きてしまう。このため一般的には高度400キロから500キロに集中していて、今回の高度は平均的と言える」と話しています。

また、今回の軌道について「南極付近と北極付近を通る極軌道は、地球が1時間に15度ずつ自転することから、事前にデータ収集の計画が立てやすいというメリットがある」と指摘しています。

そのうえで「例えばアメリカ軍がどういう配備をしているか、あるいは日米韓がこの地域でどういう布陣を敷いているかについて、1日に何回か定期的にデータを取ることができ、それを蓄積すれば、北朝鮮としては非常に有益な情報になる。今後、4基、あるいは6基、8基と打ち上げていくと考えられる」と分析しています。

一方、ことしに入って3回目の打ち上げで成功したとしていることについて「5月と8月の失敗は相当深刻だったと思う。やはりロシアによる継続的な技術支援が相当大きな役割を果たしているとみられる」と指摘しています。

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