台湾 兵役期間1年間に延長へ 蔡総統が兵士らの訓練を視察

中国の軍事的な圧力の強まりを受けて、台湾当局は兵役の期間を来年1月から延長することを決めていて、これを前に23日、蔡英文総統が兵役についている兵士らの訓練を視察しました。

台湾当局は現在、18歳以上の男子に4か月間の兵役を義務づけていますが、これを来年1月から1年間に延ばします。

また、訓練の内容も敵の攻撃を受けている状況下で味方の負傷者を救護する技術や、射撃の姿勢の取り方をより多く習得することなどを新たに追加します。

これに先駆けて今の制度で招集された兵士の一部に対しても新しい制度での訓練が行われていて、蔡英文総統が23日、中部の台中にある軍の訓練施設を訪れ兵士らが締めくくりのテストを受ける様子を視察しました。

蔡総統は視察のあと訓示し「複雑な国際情勢や地政学的な変化に直面する中、国の安全のために、そしてわれわれの民主的で自由な生活様式が変更されないために兵役の期間の調整が間違いなく必要だ」と述べ、兵役期間を延長する意義を強調しました。

兵役の期間延長をめぐっては、来年1月の総統選挙に最大野党・国民党から立候補を表明した侯友宜氏がことし7月、「みずからの当選後に4か月間に戻す」という趣旨の発言をし、延長を支持するアメリカ側の関心を引き起こしたことがあります。