日本賞にパレスチナの子どもたちを追ったドキュメンタリー作品

教育の可能性を広げる世界の優れた番組などを対象とした「日本賞」の授賞式が行われ、ヨルダン川の西岸地区でイスラエルの兵士に石を投げたとして長期間拘束された、パレスチナの子どもたちを追ったドキュメンタリー作品がグランプリに選ばれました。

「日本賞」はNHKが主催する国際コンクールで、50回目を迎えたことしは55の国と地域から391の作品が寄せられました。

授賞式は23日に行われ、最も優れた作品に贈られる「グランプリ日本賞」にはイスラエル人の監督が去年発表した「トゥー・キッズ・ア・デイ」というドキュメンタリー作品が選ばれました。

作品では年間700人、平均して1日に2人のパレスチナ人の子どもたちがイスラエル軍に逮捕されているという、ヨルダン川西岸地区の実態を描いています。

兵士に石を投げたとして数年間拘束された少年たちへの尋問の記録映像や、釈放後のインタビューのほか、軍の元兵士などのインタビューを通して、イスラエルとパレスチナの間で続く憎しみの連鎖の背景に迫ろうという作品です。

また、予算などが十分でない国や地域の番組の企画をプレゼンし審査する部門では、モンゴルのテレビ局による干ばつや大雪など深刻な自然災害を描き、子どもたちの関心を高めようというシリーズ番組、「わたしの家」が最優秀賞に選ばれました。

受賞作品の一部は来月、NHKのEテレで放送される予定です。