G20首脳会議 プーチン大統領 “和平交渉拒むのはウクライナ”

G20=主要20か国の首脳会議が22日オンライン形式で開かれ、ウクライナ情勢をめぐって、ロシアのプーチン大統領は「この悲劇をどう終わらせるのか考えなくてはならない」と述べる一方、和平交渉を拒んでいるのはウクライナだなどと、これまでの主張を繰り返しました。

このオンライン会議は、ことし9月にニューデリーで開かれたG20の首脳会議で採択された首脳宣言の具体化に向けて議長国インドの呼びかけで開かれたもので、日本から岸田総理大臣も参加しました。

この中でインドのモディ首相は、グローバル・サウスの国々が抱える課題に優先的に取り組んでいくべきだと強調したほか、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突について「市民の犠牲はいかなる場所であれ非難すべきだ」と述べました。

今回の会議には欧米諸国の首脳が参加する主要な国際会議を欠席してきたロシアのプーチン大統領が出席しウクライナ情勢についても議論が交わされました。

プーチン大統領は、参加した首脳の間からロシアによる軍事侵攻が続いていることは衝撃だとの発言が出たとしたうえで「当然、軍事行動はいつも悲劇だ。この悲劇をどう終わらせるのか考えなくてはならない」と述べました。

ただ「ロシアはウクライナとの和平交渉を拒否したことはない。公に交渉を拒んでいるのはウクライナのほうだ」などと、これまでの主張を繰り返しました。

インド外務省によりますと、会議では、イスラエル・パレスチナ情勢をめぐって、人道状況の改善や人質の早期解放に向けて各国が一致して取り組むことを確認したということです。

岸田首相「ロシアによる侵略 世界の発展基盤揺るがす」

岸田総理大臣も22日夜、G20=主要20か国のオンライン形式の首脳会議に参加しました。

そして「現在、国際社会は一層複雑化する危機に直面している。中でもロシアによるウクライナ侵略は、これまで各国が非難しているにもかかわらず今も続いており、世界の持続可能な発展の基盤を揺るがしている」と指摘しました。

そのうえで、国際社会の課題により効果的に対応するためには安保理改革を含む国連の機能強化が必要だと訴えました。