北朝鮮 “軍事偵察衛星の打ち上げ成功”と発表

北朝鮮はキム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもと、軍事偵察衛星を21日夜に打ち上げ、正確に軌道に進入させることに成功したと発表しました。さらに、今後、早期に数個の偵察衛星を追加で打ち上げる計画があると強調しています。

北朝鮮の国家航空宇宙技術総局は、21日午後10時42分に、キム・ジョンウン総書記の立ち会いのもと、軍事偵察衛星「マルリギョン(万里鏡)1号」を搭載した新型ロケット「チョルリマ(千里馬)1型」を、北西部トンチャンリ(東倉里)にある「ソヘ(西海)衛星発射場」から打ち上げたと22日未明、国営の朝鮮中央通信を通じて発表しました。

新型のロケットは予定された軌道に沿って飛行し、およそ12分後に、衛星を正確に軌道に進入させることに成功したとしています。

北朝鮮はことし5月と8月に偵察衛星の打ち上げに連続して失敗していて、3回目で成功したと主張した形です。

北朝鮮は22日午前0時からの9日間を予告期間としていましたが、実際にはそのおよそ1時間あまり前に打ち上げました。

一方、国家航空宇宙技術総局は、今後、早期に数個の偵察衛星を追加で打ち上げ、韓国などへの偵察能力を確保していく計画があり、来月開催を予告している朝鮮労働党の中央委員会総会に提出するとしています。

北朝鮮 軍事偵察衛星打ち上げの写真公開

北朝鮮は21日夜、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもと、北西部の「ソヘ(西海)衛星発射場」で行われた軍事偵察衛星の3回目の打ち上げのもようを捉えた写真を、22日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」を通じて公開しました。

1面と2面にあわせて16枚掲載された写真では、白い塗装で北朝鮮の国旗の下にハングルで「朝鮮」と表記され、1日に千里を駆けるとされる伝説の馬「チョルリマ(千里馬)」がデザインされた新型ロケットがオレンジ色の炎を吹き出しながら上昇していく様子が確認できます。

また、カーキ色のジャンパーを着たキム総書記がロケットの打ち上げを見守り、国家航空宇宙技術総局の関係者たちから祝福を受けて笑顔を見せる姿が写っています。

このほか、写真からは、今回の打ち上げにも海沿いに整備された新しい発射台が使用されたことが分かります。

米国防総省 副報道官「成功したかどうかは分析中」

北朝鮮が軍事偵察衛星を打ち上げ、正確に軌道に進入させることに成功したと発表したことについて、アメリカ国防総省のシン副報道官は21日、記者会見で、「情報は把握している。成功したかどうかについては分析中だ」と述べました。

そのうえで、「地域を不安定化させる行動だ」と北朝鮮を非難し、日本や韓国との連携を一段と強化する考えを示しました。