バイデン大統領 “ガザ地区で拘束の人質 何人かの解放近い”

ガザ地区で拘束されている人質の解放に向けた交渉の進展が伝えられるなか、アメリカのバイデン大統領は21日、ホワイトハウスで開かれた会議の冒頭で「われわれは数週間にわたって取り組みを続けてきたが、人質の何人かの解放はとても近い。詳細については完了するまで控えるが、うまくいっている」と述べました。

また、ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は記者団に対し、人質交渉の合意にはイスラエルの戦時内閣とハマスの双方の承認が必要になるとの認識を示し、「まだ、いくつかの承認が残っている」と述べました。

ハマス幹部「ボールは向こうにある」

イスラム組織ハマスの政治部門の幹部は21日夜、レバノンの首都ベイルートで記者会見し、「停戦については現在、イスラエル側の回答を待っている。ボールは向こうにある」と述べ、戦闘の停止に向けた交渉は大詰めを迎えているという認識を示しました。

そのうえで、「イスラエル軍が殺りくを続ければ、合意に達するまでに数百の障害が生み出されるだろう」と述べ、イスラエル側をけん制しました。

また、交渉は1か月にわたってカタールとエジプトの仲介のもと行われ、ハマスがガザ地区で人質にしている女性と子どもと、イスラエルが収容しているパレスチナ人の囚人をそれぞれ解放するものだと大枠を説明しましたが、戦闘を停止する期間などについては、「詳細は明らかにしたくない」として言及を避けました。

さらに、報道陣からの質問に答える形で、人質1人を解放する代わりにパレスチナ人の囚人3人を解放させる方向で交渉を進めていることを明らかにし、合意に至れば、すぐにでも詳細を発表するとしています。

このほか、ガザ地区の現状については「食料の供給は需要の1割に満たない」と窮状を訴えたうえで、「われわれは病院をいかなる軍事作戦にも利用したことはない」と主張し、医療施設への攻撃を繰り返すイスラエル側を重ねて非難しました。

ネタニヤフ首相「近いうちに良い知らせあることを願っている」

ガザ地区で拘束されている人質の解放に向けた交渉の進展が伝えられるなか、イスラエルのネタニヤフ首相は21日、北部の軍事基地を訪問した際、「私たちは前進している。近いうちに良い知らせがあることを願っている」と述べ、交渉の合意が近いとの見方を示しました。

一方で、「ハマスを掃討するという第1の目標は完了するまで終了しない」と述べ、ガザ地区での軍事作戦自体は継続する姿勢を強調しました。