【詳細】4日間の戦闘休止 人質50人解放へ合意

パレスチナのガザ地区でイスラム組織ハマス側の人質となっている人たちの解放と戦闘の休止に向けた交渉について、カタール政府は22日、イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが、4日間、戦闘をやめることと引き換えに、ガザ地区で拘束されている50人の人質を解放することで、合意したと、発表しました。

※11月22日のイスラエルやパレスチナに関する動きを随時更新でお伝えします。

目次

イスラエル 釈放可能性あるパレスチナ人の囚人リスト公開

イスラエルの司法省は22日、ガザ地区で拘束されている人質の解放と引き換えに釈放する可能性があるパレスチナ人の囚人のリストを公開しました。

それによりますと、リストには300人の囚人の名前や年齢、性別のほか拘束された理由などが記載されています。

NHKがリストを確認したところ内訳は、男性が267人、女性が33人となっていて、年齢は多くが17歳か18歳と若く、なかには14歳の囚人も含まれています。

ハマスは22日、SNSにイスラエルが、拘束しているパレスチナ側の子どもや女性など150人を釈放するかわりにハマスは子どもや女性などの人質50人を解放すると投稿しています。

イスラエルの有力メディアハーレツは、ハマスがより多くの人質を解放する可能性を踏まえて、イスラエル政府が合意した数の2倍の300人のリストを公開したと伝えています。

イスラエル外相「人質解放は23日からと期待」

イスラエルのコーヘン外相は22日、軍のラジオ放送の中で「人質の解放は23日から始まると期待している」と述べました。

ただ、何時に始まるかなど詳細については言及しませんでした。

ガザ地区南部の住民 より長期間停戦を

ガザ地区南部のラファでは、4日間程度の戦闘の休止はガザ地区の人道状況の改善には十分ではなく、より長期的な停戦を望む声が聞かれました。

ラファ市内に住む男性は「ガザ地区でこれ以上血が流れるのを止めるため、停戦を実現してほしい。大惨事によってガザの生活は破壊されてしまった。必要なのはより長期間の停戦だ。5日程度では十分でない。家族はまだガザ地区の北部で水も食料もない状態だ。私たちとイスラエルの間で平和を望みます。もう十分です」と話していました。

また別の男性は「なにが停戦だ。停戦は市民の助けになるものだが、電気も燃料もない。この停戦はただ単に恐怖を先送りしているだけだ。少しの間攻撃がないだけで、私たちにとってよい停戦ではない。私たちが望むのはイスラエル軍がガザ地区から撤退する停戦だ。イスラエル側は『戦争』だというが、私からすれば自衛の手段を持たない人々に軍が攻撃しているだけだ」と話していました。

仏 マクロン大統領「合意の発表を歓迎」

ガザ地区での人質の解放と戦闘の休止をめぐる合意の発表を受けて、フランスのマクロン大統領はSNSを通じてコメントを発表し、「人質の解放と停戦の合意の発表を歓迎する。私たちは人質全員の解放を確実にするために、精力的に取り組んでいる。戦闘の休止によってガザの住民を支援し、救済することが可能になるはずだ」としています。

イギリス外相「ガザ地区に物資が継続的に届く重要な機会」

イギリスのキャメロン外相は声明を発表し「人質の家族を救済し、ガザ地区の人道危機に対処するための重要な一歩だ。すべての当事者に対し、合意の完全な履行を強く求める」としています。

そして「この戦闘休止は、より多くの食料、燃料をはじめとする人命を救うための物資がガザ地区に継続的に届くことを保証する重要な機会となる。

国連と緊密に協力し、必要とする人々に確実に援助が届くようにする」とした上で「引き続き、地域のすべてのパートナーと協力しながら、人質全員の解放と治安の回復、そしてイスラエル人とパレスチナ人の双方が平和に暮らせる長期的な政治的解決に向けて、取り組んでいく」としています。

ロシア報道官「世界の国が人道目的の停戦を求めてきた」

ガザ地区での人質の解放と戦闘の休止をめぐる合意の発表を受けて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、22日、記者団に対して「ガザ地区からの久しぶりのよいニュースだ。ロシアをはじめ世界のほとんどの国が人道目的の停戦を求めてきた」と述べ、合意を歓迎しました。

そして「こうした戦闘の停止に基づいてのみ、この問題の持続的な解決に向けた将来の構想を描くことができる」と述べました。

ガザ地区約170万人避難 収容人数上回り衛生状態悪化

UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は21日、ガザ地区全域でおよそ170万人が避難を余儀なくされていると発表しました。

大勢の人が国連の施設などに避難していますが、収容人数をはるかに上回っていて衛生状態が悪化し、この2週間で皮膚病にかかる人が35%、下痢の症状を訴える人が40%増加したとしています。

避難所では平均すると1つのシャワーを700人で共有し、1つのトイレを160人で共有しているということです。

また、UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は21日、SNSに「108人の職員の死亡が確認された」と発表し、現地の国連職員の犠牲も増え続けています。

シファ病院医師「状況は悪化している」

ガザ地区最大のシファ病院にいる外科医のモハララティ氏が21日、ロイター通信の取材に対し「状況は悪化している」として、イスラエル軍による病院内での破壊が続いていると訴えました。

このなかでモハララティ氏はイスラエル軍について「彼らは、私たちがあらゆる物事について知っているはずだと言い、ハマスの部隊やトンネル、司令部のことなどについて問いただしてくる。とても攻撃的で数時間ずつに渡って私たちを拘束している」と述べ、イスラエル軍がハマスに関する情報の収集に今も躍起になっていると証言しました。

そのうえで「新生児が移送されたことで、シファ病院の問題は解決した、なくなったと思われているが、ここには治療を必要とするおよそ250人の患者がいることを思い出してほしい」と述べ、動くことすらままならない多くの患者が残っていると訴えました。

また、患者のケアにあたるスタッフは
▽医師8人、
▽看護師3人、
▽着替えなどを手伝うボランティアが数人いるだけで酸素ボンベや医薬品も足りていないとしています。

とりわけ透析患者およそ20人について、医療機器が不足し、機器を扱える医療スタッフもいないため、死に至るおそれがあると訴えています。

パレスチナ暫定自治政府「アッバス議長 戦闘休止を歓迎」

パレスチナ暫定自治政府の高官は22日、SNSに投稿し「アッバス議長と指導部は、人道的な戦闘の休止を歓迎し、カタールとエジプトの努力に感謝するとともに、占領の終結とパレスチナ人の自由、独立、主権の獲得につながるよう、イスラエルがパレスチナの人々への侵略を完全にやめることなどを、改めて求める」としています。

イスラエル政府「10人解放ごとに休止する日1日ずつ延長」

臨時の閣議を受けてイスラエル政府は声明を発表し、この中で「子どもと女性、少なくとも50人の人質が4日間にわたって解放される。この間、戦闘が休止される」としています。

そのうえで「さらに10人の人質が解放されるごとに戦闘を休止する日が1日ずつ延長される」としています。

そして、政府とイスラエル軍、それに治安機関は、人質全員を帰還させ、ハマスを完全に排除してガザ地区からの脅威を無くすために戦争を続けるとしています。

松野官房長官「合意の着実な実施を期待」

松野官房長官は午後の記者会見で「人質の解放と人道状況の改善に向けた重要な動きとして歓迎するとともに、関係国による努力に敬意を表したい。合意が着実に実施されることを期待している」と述べました。その上で「日本政府としても引き続き、わが国も賛成した国連の安保理決議を踏まえた上で、関係国や国際機関などと意思疎通を行い、人質の即時解放、人道状況の改善、事態の沈静化などに向けた外交努力を粘り強く積極的に続けていく」と述べました。

バイデン大統領 「合意の完全実施が重要」

アメリカのバイデン大統領は21日、人質の解放に向けた合意を歓迎するとした声明を発表しました。

この中でバイデン大統領は、カタールのタミム首長とエジプトのシシ大統領が合意に至るまでに重要な役割を果たしたほか、イスラエルのネタニヤフ首相らが合意を実行するために戦闘の休止の拡大を支持したとして、謝意を示しています。

その上で「この合意のすべての内容が完全に実施されることが重要だ」と指摘しました。

また「今回の合意によってさらに多くのアメリカ人の人質が解放されるはずであり、私は彼らが全員解放されるまでやめない」として人質の全員の解放に向けて取り組み続ける考えを強調しました。

カタール政府の声明内容

カタール政府は22日、外務省を通じて、イスラエルとイスラム組織ハマスが4日間、戦闘をやめることと引き換えに、ガザ地区で拘束されている50人の人質を解放することで合意したと発表しました。

合意では戦闘を休止する時刻は24時間以内に発表されるとしていて期間については4日間から延長される可能性もあるとしています。

また、今回の合意には現在、ガザ地区で人質となっている50人の子どもと女性の解放と引き換えにイスラエルの刑務所に収容されているパレスチナの子どもと女性を解放することも含まれているということです。

さらに戦闘の休止によって、燃料を含む人道支援に必要な多くの物資をガザ地区へ運び込むことが可能になるとしています。

イスラエルとハマス“戦闘休止と人質解放で合意”カタール政府

イスラエル軍は21日、ガザ地区北部の難民キャンプでハマスの戦闘員が潜んでいるトンネル3か所を攻撃したと主張するなど攻勢を強めています。

こうした中、カタールなどが仲介するハマス側にとらえられた人質の解放に向けた交渉をめぐり、イスラエルなどのメディアは22日、ネタニヤフ政権が閣議で交渉内容を承認したと伝えたほか、ハマスもSNSに「人道的な停戦の合意に達した」と投稿していました。

カタール政府は22日、イスラエルとハマスが、4日間、戦闘をやめることと引き換えに、ガザ地区で拘束されている50人の人質を解放することで、合意したと、発表しました。

戦闘を休止する時刻は24時間以内に発表されるとしていて、ハマスが人質を解放する代わりに、イスラエルの刑務所に収容されている一部のパレスチナ人も解放されるとしています。

ガザ地区では戦闘が続いていて、今後、合意が着実に履行されるか注目されます。

イスラム組織ハマス「4日間の人道的な停戦の合意に達した」

イスラム組織ハマスは22日、SNSに「カタールとエジプトの粘り強い努力により、4日間の人道的な停戦の合意に達した」と投稿しました。

そのうえでイスラエルが拘束しているパレスチナ側の女性や子どもなど150人を解放する代わりにハマスは女性や子どもなどの人質50人を解放するとしています。

松野官房長官「事実関係の詳細は確認中だが注視している」

松野官房長官は22日午前の記者会見で「事実関係の詳細は確認中だが、人質全員の釈放と人道状況の改善に向けた重要な動きとして高い関心を持って注視している」と述べました。

その上で「日本政府としても引き続き、わが国も賛成した安保理決議を踏まえた上で関係国や国際機関などと意思疎通を行い、事態の沈静化などに向けた外交努力を粘り強く積極的に続けていく」と述べました。

イラクで親イラン武装組織 戦闘員5人死亡

親イランの武装組織「カタイブ・ヒズボラ」は22日未明、アメリカ軍の空爆によりイラク中部で戦闘員8人が死亡したと発表しました。

一方、アメリカ中央軍も22日、SNSで声明を発表し「イランと、イランが支援する組織によるアメリカと連合国軍への攻撃の報復としてイラク国内の2つの施設に対して精密攻撃を行った」と明らかにしました。

イランの支援を受ける民兵組織は「イスラエルによるガザ地区での犯罪行為への報復だ」としてイスラエルを支援するアメリカのイラクやシリアでの基地にたびたび攻撃を行っています。

イスラエル政府 臨時閣議で詰めの協議か

イスラエル軍は21日、ガザ地区北部の難民キャンプでハマスの戦闘員が潜んでいるトンネル3か所を攻撃したと主張するなど攻勢を強めていて、軍の参謀総長は「地上侵攻が人質解放に向けたよい環境を作り出した」としてハマスへの圧力を強めています。

こうしたなか、ハマスの政治部門の幹部は21日夜、レバノンの首都ベイルートで記者会見し、「停戦については現在、イスラエル側の回答を待っている。ボールは向こうにある」と述べ、戦闘の停止に向けた交渉は大詰めを迎えているという認識を示しました。

また、交渉は1か月にわたってカタールとエジプトの仲介のもと行われ、ハマスがガザ地区で人質にしている子どもや女性と、イスラエル側が収容しているパレスチナ人の囚人をそれぞれ解放するものだと大枠を説明しました。

イスラエルの複数のメディアは政府関係者の話として、ハマス側が人質およそ240人のうち、50人ほどを段階的に解放することを条件に、4日間程度、戦闘をやめることで合意する見通しだなどと伝えています。

この合意についてイスラエル政府は21日夜、日本時間の22日未明から臨時の閣議を開き、詰めの協議を行っているものとみられ、イスラエル側がどのような判断を示すか注目されます。

ネタニヤフ首相 交渉への同意 閣僚たちに求める

イスラエルのネタニヤフ首相は21日、人質の解放交渉に関して開かれた臨時の閣議の冒頭、「われわれは難しい決断を迫られているが、これは正しい決断だ」と述べ、カタールなどの仲介で進められている交渉への同意を閣僚たちに求めました。

そのうえで、「人質が解放されれば戦争をやめるという話があるが、われわれはハマスを壊滅させて、すべての人質を取り戻すという目的を達成するまで戦争を続ける」と述べ、人質の解放の条件として一時的に戦闘をやめることは停戦とは異なると強調しました。

アメリカ フーシ派を国際法違反と非難 テロ組織指定を検討

アメリカ政府の高官はイエメンの反政府勢力フーシ派が紅海で日本企業が運航する貨物船を乗っ取ったことは国際法に違反すると非難した上で、フーシ派をテロ組織に指定することについて検討を開始したと明らかにしました。

フーシ派はアラビア半島の南端、イエメン近くの紅海を航行中だった日本企業が運航する貨物船を19日、乗っ取り、この貨物船がイスラエルの船だとした上で、今後もイスラエルの船舶などを標的にするとしています。

これについてアメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は21日、記者会見で、「明らかな国際法違反だ。フーシ派は船と乗組員をただちに無条件で解放すべきだ」と非難しました。

そして、「フーシ派による最近の民間人への襲撃や、今回の国際水域での海賊行為を踏まえ、われわれはテロ組織への指定の可能性について再検討を始めた」と明らかにしました。

フーシ派をめぐってはトランプ前政権が2021年の1月にテロ組織に指定しましたが、政権交代したバイデン政権は指定がイエメンの人道危機を深刻化させかねないとして翌月の2月に解除していました。

また、カービー調整官はフーシ派を支援するイランについても言及し、「イランは貨物船を乗っ取った勢力を物資面で支援しながら後押しをして、加担している。絶対に容認できない」と批判しました。

イスラエル ネタニヤフ首相 交渉合意近いとの見方示す

ガザ地区で拘束されている人質の解放に向けた交渉の進展が伝えられるなか、イスラエルのネタニヤフ首相は21日、北部の軍事基地を訪問した際、「私たちは前進している。近いうちによい知らせがあることを願っている」と述べ、交渉の合意が近いとの見方を示しました。

一方で、「ハマスを掃討するという第一の目標は完了するまで終了しない」と述べ、ガザ地区での軍事作戦自体は継続する姿勢を強調しました。

バイデン大統領 “ガザ地区で拘束の人質 何人かの解放近い”

ガザ地区で拘束されている人質の解放に向けた交渉の進展が伝えられるなか、アメリカのバイデン大統領は21日、ホワイトハウスで開かれた会議の冒頭で、「われわれは数週間にわたって取り組みを続けてきたが、人質の何人かの解放はとても近い。詳細については完了するまで控えるが、うまくいっている」と述べました。

ガザ地区でUNRWAスタッフ104人死亡

UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は、今月19日までにガザ地区で104人のスタッフの死亡が確認され、このうち半数以上がガザ地区を東西に流れるワディ・ガザと呼ばれる川の南側で被害にあったと発表しました。

イスラエル軍はガザ地区北部の住民に対し、南部へ退避するよう繰り返し呼びかけていますが、その南部でも攻撃を強めていると見られます。

また、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長もガザ地区で活動していた女性スタッフが亡くなったと自身のSNSに21日、投稿しました。この女性のほか、一緒にいた生後6か月の赤ちゃんと夫も亡くなったということです。

テドロス事務局長は「この恐怖は終わらなくてはいけない。すべての人道支援者と民間人は守られなくてはいけない」と訴えています。

ガザ地区北部の病院に攻撃 NGOの医師含む3人死亡

国際NGO「国境なき医師団」は21日、ガザ地区北部の病院に攻撃があり、NGOの医師2人を含む3人が亡くなったと発表しました。この病院には200人以上の患者が残っているものの、必要なケアを受けられていないということです。

「国境なき医師団」は医療スタッフも大けがを負ったとしていて、攻撃を強く非難するとともに、即時の停戦と医療従事者や医療施設の保護を求めています。

また、国境なき医師団はガザ市にあるNGOの診療所が20日、攻撃を受けたとSNSに投稿しました。

周囲で起きた激しい戦闘により、国境なき医師団のロゴを掲げていた車両5台が被害にあい、4台の車が燃え、もう1台は押しつぶされたように真っ二つになったということです。

その上で、診療所などに残る国境なき医師団のスタッフやその家族が避難に使うための唯一の手段が失われたとしています。

フーシ派報道官 “報復攻撃にも対応する準備できている”

イエメン北部を掌握する反政府勢力、フーシ派は、イスラム組織ハマスに加勢して、イスラエルに弾道ミサイルなどを発射するとともに、19日には、紅海を航行中だった、日本企業が運航する貨物船をイスラエルの船だと主張して乗っ取りました。

これに先立って、フーシ派のアベド・トール報道官が首都サヌアにある事務所でNHKの現地スタッフの取材に応じ、その映像が21日、届きました。

このなかで、トール報道官はイスラエル南部への攻撃について、「エイラートにはイスラエルにとって重要な港や軍事施設、石油施設などがあり、こうした施設が標的だ」と述べ、今後も弾道ミサイルや無人機などを使ってイスラエルへの攻撃を続けると主張しました。

また、「われわれは独自に兵器の能力を向上させ、敵を驚かす多くの兵器を持っている。アメリカやイスラエルの攻撃にも対応できる」と述べ、イスラエルなどからの報復攻撃にも対応する準備ができていると強調しました。

少なくとも53人の報道関係者が死亡

報道の自由を守る活動をしている国際的なNPO、CPJ=ジャーナリスト保護委員会は、10月7日から始まったイスラム組織ハマスとイスラエル軍との一連の衝突で、これまでに少なくとも53人のジャーナリストなど報道関係者が各地で死亡したとしています。

11月21日時点の内訳は、
▽パレスチナ人が46人、
▽イスラエル人が4人、
▽レバノン人が3人だということです。

また、
▽11人がけがをし、
▽3人が行方不明、
▽18人が拘束されているほか、
確認できていないケースも多くあるとして、調査を行っているとしています。

CPJは声明で「この地域のジャーナリストは胸が張り裂けるような紛争を取材するために多大な犠牲を払っている」と強調しました。

このうち、ガザ地区のジャーナリストはイスラエル軍による空爆や通信の切断、物資不足など、とりわけ高いリスクに直面しているとした上で、「多くが同僚や家族、取材拠点を失い、安全な場所を探し続けている」と指摘し、ジャーナリストは攻撃の対象になるべきではないと訴えています。