【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(22日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる22日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米政府高官が懸念 “イランがロシアに弾道ミサイルの供与検討”

アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は21日、記者団に対し、イランがウクライナ侵攻を続けるロシアに多くの無人機や砲弾を供与してきたとした上で、「ロシアへの支援をさらに進めようとしている可能性がある」と指摘しました。

具体的には、イランが9月にロシアのショイグ国防相を招待した際、短距離弾道ミサイルを披露していたとして、「イランが弾道ミサイルの供与を検討していることを懸念している」と述べました。

カービー調整官はロシアがこの見返りとして、イランにミサイルや電子機器、それに防空システムなどを含む前例のない防衛協力を申し出ているほか、イランが攻撃ヘリやレーダーなども購入しようとしているとの見方を示しました。

さらに、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」がロシア政府の指示を受けて、レバノンのイスラム教シーア派組織で、イランの支援を受けるヒズボラか、イランに対して、防空システムの供与を準備しているとの情報があるとしています。

カービー調整官は「ロシアとイランが軍事協力を拡大しているが、ウクライナやイランの近隣諸国、それに国際社会にとって有害だ」と述べ、両国の軍事面での連携強化に強い警戒感を示しました。

ロシア 報道官「コメントする価値もない」

ロシア大統領府のペスコフ報道官は22日「コメントする価値もないと思う。われわれは防衛協力を含めてイランとの関係を発展させているが、これについてはコメントしない」と述べました。

ウクライナへの侵攻を続けるロシアはイランから自爆型の無人機の供与を受けてきたとしてアメリカなどが懸念を強めていますが、ロシア政府はこれについても否定しています。

ロシア ショイグ国防相「ウクライナ軍の試みはすべて失敗した」

ウクライナ軍はロシアが占領する南部ヘルソン州のドニプロ川東岸に複数の拠点を築き、19日にはロシア軍を3キロから8キロにわたって退却させたと主張しています。

ヘルソン州の状況についてロシアのショイグ国防相は21日、国防省で行われた会議で、「ロシア軍は積極的な防衛に成功し、戦線を維持している。ウクライナ軍の試みはすべて失敗した」と主張し、ウクライナ軍を撃退したと強調しました。

ただ、ウクライナ軍はドニプロ川東岸での作戦を続けていて、激しい地上戦になっているとみられます。

一方、イギリス国防省は21日、ロシア軍が電力インフラへの攻撃に向けてウクライナの防空能力を低下させるため、2日間で合わせておよそ50機の無人機の攻撃を行ったと指摘しました。
こうした中、21日にはドイツのピストリウス国防相が前日のアメリカのオースティン国防長官に続いてウクライナを訪れ、13億ユーロ、日本円にして2100億円あまりの軍事支援を追加で行うと発表しました。このなかには2万発の砲弾のほか、防空システムも含まれるということで、ウクライナは各国の支援を受けながら防空能力の強化を急いでいます。