過労死防止考えるシンポジウム“注意深く見守って”遺族が訴え

過労死をなくすための働き方について考えるシンポジウムが21日都内で開かれ、遺族が過労死は誰の身に起こってもおかしくないとして「子どもの職場の環境などを親がもう一度、注意深く見守ってほしい」と訴えました。

このシンポジウムは今月の「過労死等防止啓発月間」にあわせて、厚生労働省が開いたもので東京 杉並区の会場にはおよそ130人が集まりました。

シンポジウムでは10年前に31歳で心不全で亡くなり過労死と認定されたNHKの佐戸未和記者の母親の恵美子さんが体験を語りました。

この中で恵美子さんは「過労死はいつ、誰の身に起こってもおかしくはありません。私もまさかわが子が仕事で命を落とすなんて考えたこともありませんでした」と話しました。

そのうえで「私たちと同じ苦しみを味わうことがないよう、働く子どもがいる親は職場の環境や人間関係をもう一度、注意深く見守り、最後のとりでになってください」と訴えました。

また、企業にハラスメント対策を助言する会社の代表も登壇し、報復行為を恐れる人でも答えられるよう匿名のアンケート調査を行うなどして実態把握に努めることや、組織風土の変革などで予防につとめることが対策のポイントになると指摘していました。

厚生労働省は、こうしたシンポジウムを来月にかけて全国各地で開くことにしています。