20日昼前、江戸川区南小岩の交差点で、信号機に取り付けられている「JR小岩駅前」と書かれたおよそ3キロのアルミ製の標示板が、5メートルほどの高さから落下し、歩いていた70代の女性にあたって頭や肩にけがをしました。
標示板の大きさは、幅が100センチ、高さが40センチほどでした。
現場は江戸川区が管理する区道の交差点で、区によりますと、標示板を含む道路標識について定期的な点検を行う仕組みはなく、職員などが気がついた時に地上から目視で確認していたということです。
今回の落下の原因は取り付け金具の劣化で、区はおよそ150か所ある標示板の緊急点検を21日から始めました。
このうち、瑞江地区の交差点では、高所作業車に作業員と区の職員が乗って金具のボルトを締めたり傷みがないか確認したりして点検を進め、江戸川区土木部の島夛弘毅保全課長は「標示板は高いところにあり、近くでの点検や確認ができていないところもあります。再発防止に向けた調査と点検を早急に進めたい」と話していました。

交差点の標示板落下事故 約150か所で緊急点検 東京 江戸川区
東京 江戸川区の交差点で、20日、信号機に取り付けられていたおよそ3キロの標示板が落下し、70代の女性がけがをした事故で、区には標示板を定期的に点検する仕組みがなかったことがわかりました。
区は21日から、およそ150か所で落下の危険性がないか確認する緊急の点検を始めました。
道路標識の維持管理 統一的な取り決めなし
国土交通省などによりますと、今回落下した「標示板」は、道路標識に分類され、国道であれば国が、県道や市道などは自治体が、管理することになっています。
一方、この道路標識の維持管理については統一的な取り決めはなく、それぞれの道路管理者が、国が示している点検要領などを参考に進めているということです。
東京都によりますと、都では、おおむね5年ごとに定期点検を行い、
▽ボルトが緩んでいないかや
▽固定器具の腐食が進んでいないか
などを確認しているということです。
老朽化や台風などの影響で、道路標識が落下する事例は各地であるということですが、報告を求めたり、件数を集約したりする取り決めはなく、件数などは把握できていないとしています。