衆院予算委 経済対策へ 補正予算案の実質的な審議始まる

国会では、衆議院予算委員会で経済対策の裏付けとなる補正予算案の実質的な審議が始まりました。
岸田総理大臣は3人の政務三役の交代を受けて信頼回復に努める考えを示すとともに、経済対策への理解を求めました。

午前の審議では自民党が質問に立ちました。

首相 “信頼回復に努める” 政務三役の相次ぐ交代めぐり

自民党の若宮元万博担当大臣は、相次ぐ政務三役の交代をめぐり、「わずか数週間の間に副大臣や政務官が3人相次いで辞任する事態が発生した。このような状況をどのように認識し、傷ついた国民からの信頼を回復しようと考えているのか」とただしました。

これに対し、岸田総理大臣は「政治への信頼が揺らいでいるという点は謙虚に指摘や批判を受け止めなければならず、任命責任者として重く受け止めている。先送りできない課題について臆することなく判断し、結果を出していく姿勢を持ち続け、国民の信頼回復に努めていきたい」と述べました。

新たな経済対策について

また、若宮氏は新たな経済対策について「各社の世論調査を見ると、うまく国民に理解されているとは言い難い状況だ。どのような効果をねらっているのか分かりやすく説明してほしい」と求めました。

これに対し、岸田総理大臣は「今回の経済対策はデフレからの脱却が大きな目的だ。何よりも賃上げを来年、再来年と続けていかなければならないが、賃上げは道半ばであり、給付や減税といったあらゆる政策を用意し、国民の自由に使えるお金を確保することで消費を落ち込ませないよう配慮する必要がある。国民の皆様にご理解いただきたい」と述べました。

少子化対策について

自民党の島尻元沖縄・北方担当大臣は少子化対策をめぐり「私も子育てをしてきたが、子育ての現場にいると見えてくるものが多くある。わが国のこども政策について考えを聞かせてほしい」と質問しました。

これに対し、岸田総理大臣は「特に若い世代の所得を増やすことと、社会全体の構造や意識を変えること、そして、すべての子どもと子育て世帯を切れ目なく支援することの3点を柱に据えて、少子化対策の強化に取り組んでいる。少子化の傾向はますます進んでおり、スピード感を持って国家的な課題に取り組んでいく」と述べました。

旧統一教会の被害者救済について

一方、旧統一教会の被害者救済をめぐり、近藤内閣法制局長官は「財産の保全を可能とする制度は宗教法人や信者が財産を用いて宗教活動を行うことの制約になりうるため、憲法が保障する信教の自由との関係から個別具体的に慎重な検討が必要だ」と指摘しました。

また、小泉法務大臣は「一般論として言えば、今後、被害者が出てくるかもしれないなどという推測のみに基づいて包括的な保全が命じられる可能性は低いのではないか。個々の債権者が弁済を受けるには個別の請求権の存在と、その額を確定することが重要となる」と述べました。