辻外務副大臣と岩田経済産業副大臣は20日、日本企業10社の関係者らとともにウクライナの首都キーウを訪問し、シュミハリ首相らと会談しました。
会談の冒頭、シュミハリ首相は「ロシアによる侵略が続く中での日本政府や企業の皆さんの支援は大変ありがたい。今回の訪問が復興に向けた具体的な成功につながると確信している」と述べました。
これに対し、辻外務副大臣は「今回の訪問は、今後のウクライナへの復旧や復興支援への日本企業の関与をさらに深める上で非常に重要だ」と応じました。
会談で両政府はロシアの軍事侵攻で破壊された橋などのインフラ整備に連携して取り組んでいくことを確認しました。
また、来年2月に東京で開催されるウクライナの経済復興の会議に向けた準備を加速させることでも一致しました。
会談のあと、岩田経済産業副大臣は記者団に対し「経済の復興に関しては、やはり民間の皆さんの協力が必要だ」と述べました。
このあと両国の企業関係者どうしの会合も行われ、エネルギー分野や農業分野などでも連携を進めていく考えで一致しました。
辻外務副大臣らキーウ訪問 橋などのインフラ整備で連携へ
辻外務副大臣と岩田経済産業副大臣は20日、日本企業関係者らとともにウクライナの首都キーウを訪問してシュミハリ首相らと会談し、ロシアの軍事侵攻で破壊された橋などのインフラ整備に連携して取り組んでいくことを確認しました。
日本企業の担当者「何か力になりたい」
キーウを訪問した日本企業の関係者は20日、ウクライナ側の企業との会合に出席し、復旧や復興に向けて、どのような需要があるか意見を交わしました。
このうち橋や道路などのインフラ整備での協力を目指す大手機械メーカー「IHI」で理事を務める松野憲司さんは記者団に対し「私たち日本企業は、戦後の復興や震災などの苦難を乗り越えてきた自負がある。ニーズを正確につかむとともに、スピードも非常に重要だ。こうした機会をとらえて政府の要人などと直接、話せる関係を作りたい」と話していました。
また、ウクライナ特産のひまわりのタネなどから取れる油を原料にして界面活性剤の生産を目指す企業「アライドカーボンソリューションズ」の代表取締役、山縣洋介さんは「生産方法の共有もできるし、一緒に合弁企業を立ち上げることもできる」と話していました。
さらに、風力発電などでウクライナ側との連携を目指す企業「駒井ハルテック」の常務取締役、駒井えみさんは「ウクライナの人から雇用と産業が生まれれば外国に出て行く必要はなくなると聞いた。ものづくりの企業としても感銘を受けたので、何か力になりたい」と話していました。