“中国駆逐艦の音波でけが”豪の抗議に中国「事実と一致せず」

中国の駆逐艦がオーストラリア海軍の艦艇に強力な音波を発し、潜水作業を行っていた兵士がけがをしたとしてオーストラリア側が抗議声明を出したことについて、中国国防省の報道官は「まったく事実と一致しない」という談話を発表し、抗議したと明らかにしました。

オーストラリア国防省の声明によりますと、今月14日、日本のEEZ(排他的経済水域)で任務にあたっていたフリゲート艦がプロペラに漁網が絡まったため船をとめ、兵士が潜水作業を行っていたところ、接近してきた中国の駆逐艦が強力な音波を発し、複数の兵士が耳に軽いけがをしたとして「危険な行為だ」などと中国側に抗議しました。

これについて中国国防省の報道官は20日に談話を発表し、「オーストラリアの主張はまったく事実と一致せず、断固として反対する」としてオーストラリア側に抗議したと明らかにしました。

その上で「われわれはオーストラリア側に事実を尊重し、無責任な非難をやめ、両国と両軍の前向きな発展のため、いい雰囲気を作り出すよう求める」としています。

中国とオーストラリアは経済分野で関係改善が進んでいる一方、安全保障面では立場の違いが埋まっていません。