南シナ海で海洋進出の動きを強める中国に対してASEANは法的拘束力のある紛争防止のルールとして「行動規範」の策定を目指していますが、遅れています。
こうした中、フィリピンのマルコス大統領は19日、訪問先のアメリカで安全保障に関する講演会に出席し、南シナ海で領有権を争うベトナムとマレーシアそれぞれに対し、フィリピンとの2国間でのルール作りを呼びかけていることを明らかにしました。
講演の中でマルコス大統領は、南シナ海で中国が進める軍事拠点化がフィリピンの沿岸部にますます近づき、およそ110キロの距離にあるさんご礁にまで中国軍が関心を示すようになったと指摘し、「状況は以前より差し迫っている」と危機感を示しました。
フィリピンとしては中国を含めた各国に全体でのルール作りを急ぐよう求めるねらいがあるとみられます。
フィリピンが南シナ海での2国間の紛争防止ルール作り呼びかけ
中国とASEAN(東南アジア諸国連合)の間で南シナ海での紛争を防ぐためのルール作りが遅れる中、フィリピンはベトナムとマレーシアそれぞれに対し、2国間でのルール作りを呼びかけていることを明らかにしました。中国を含めた各国に全体でのルール作りを急ぐよう求めるねらいがあるとみられます。