「エホバの証人」“輸血拒否は子どもの命の危険に直結”弁護団

宗教団体「エホバの証人」の元信者らを支援している弁護団は多くの2世が親からの虐待を経験しているなどとする調査結果を20日公表しました。

弁護団は教団が早産の子どもの治療でも輸血を避けるよう信者に判断を求めている状況などは子どもの命の危険にも直結するとして、調査が必要だと指摘しています。

20日に都内で会見を開いた弁護団は、エホバの証人の信者の元で育った2世の多くが輸血を拒否する意思を示すカードを持っていたり、ムチなどでたたかれたり、学校行事に参加できなかったりといった虐待を経験してきたとする調査結果を公表しました。

エホバの証人側は「教団はいかなる形の児童虐待も容認せず、調査は否定的な感情を抱く一部の人々だけの回答に基づいている」などと反論しています。

弁護団は会見の中で、教団がことし8月に更新した「妊娠中の女性のための情報」という内部文書の中に「早産で生まれた赤ちゃんが輸血以外のあらゆる方法を駆使して治療を受けられるようにお願いしてください」などと記載し、輸血を避けるよう信者に判断を求めていると指摘しました。

弁護団は、こうした状況などが子どもの命の危険にも直結するとして調査が必要だと指摘しています。

「エホバの証人問題支援弁護団」の田中広太郎弁護士は「教団は子どもが医者などに対して、みずから輸血を拒否すると説明できるように練習するよう教える文書も確認されている。輸血を拒否した場合に本当に子どもの救命ができるかという点については、まだまだ改善する余地があるのではないか」と話していました。