段ボール箱破損で「食品ロス」 返品判断をAIが担う技術導入へ

ペットボトル飲料などで段ボール箱が破損しただけで返品される「食品ロス」を減らそうと、メーカーと小売業者が統一基準づくりに向けて動き出しています。これまで人が目視で行っていた返品の判断をAIが担う技術を導入します。

ペットボトルの飲料などを倉庫から店に配送する際、商品に傷がなくても段ボール箱が破損していると返品の対象となって食品ロスにつながることが課題となっています。

飲料メーカーと小売業の大手7社は返品の対象かどうかの統一基準づくりに乗り出し、実証実験を行っています。

これまでは段ボール箱の破損の状態を人が目視で確認していましたが、実証実験ではスマートフォンで撮影した画像をAIが解析する技術を導入することで返品の判断基準を統一します。

食品ロスの削減だけでなく、物流に携わる人の負担の軽減にもつながるとしています。

来年9月まで実証実験を行い、統一基準の運用を始めることにしています。

サントリーホールディングスのサプライチェーン本部、上前英幸専任部長は「流通業者や消費者の方々にも段ボールが破損していても、中身は問題ないことを理解してもらい受け入れてもらえるようにしていきたい」と話していました。