楽天モバイル詐欺事件 18億円相当の資産差し押さえ 東京国税局

楽天モバイルの元部長らが逮捕・起訴された携帯電話基地局の整備をめぐる巨額詐欺事件で、東京国税局が元部長と下請けの運送会社の合わせて18億円相当の資産を差し押さえていたことが関係者への取材でわかりました。

資産の差し押さえを受けたのは楽天モバイルの元物流管理部長で、携帯電話の基地局の整備をめぐり98億円を楽天モバイルに不正請求してだまし取ったとして詐欺の罪に問われている佐藤友紀被告(47)と、楽天モバイルの下請けで東京 港区の運送会社「TRAIL」です。

関係者によりますと、東京国税局は佐藤元部長が「TRAIL」からの収入を申告せず所得を隠したとして、およそ10億円を追徴課税するとともに「TRAIL」に対して下請けに支払う経費を水増しし、利益を少なく見せかけていたとしておよそ30億円を追徴課税していました。

しかし事件の発覚後、元部長の口座が凍結されるなどしたほか「TRAIL」の事業継続も困難になり、いずれも納税の見通しが立たなくなったということで、元部長が所有する土地やマンション、「TRAIL」が保有する現金など、あわせて18億円相当の資産の差し押さえに踏み切ったということです。

関係者によりますと、資産の差し押さえによって10億円を超す税額を徴収するのは異例のケースだということです。