ロシアに連れ去られたウクライナの男性が18歳の誕生日に帰国

ウクライナからロシアに連れ去られて養子になった男性が、ロシアで徴兵の対象となる18歳の誕生日にウクライナに帰国しました。

19日、ウクライナに帰国したのは、この日18歳の誕生日を迎えたボフダンさんです。

去年5月にロシアに占領された東部マリウポリからロシアに連れ去られ、養子になりました。

ボフダンさんは、ロシアで徴兵の対象となる18歳の誕生日を前にした今月9日、動画でゼレンスキー大統領に対して帰国できるよう支援してほしいと訴えていました。

ボフダンさんには去年、ロシア国籍が与えられ、弁護士によりますと、ロシア当局から徴兵事務所に来るよう指示を受けていて、徴兵されるおそれがあったということです。

帰国したボフダンさんは「ウクライナに戻れると信じていましたが、誕生日に戻れるとは思っていませんでした。胸がいっぱいです」と話していました。

今回の帰国について、ウクライナ政府は、ユニセフ=国連児童基金やカタール政府などの仲介があったことを明らかにしました。

一方、ロシアで子どもの権利などを担当するリボワベロワ大統領全権代表は、ボフダンさんは希望してロシア国籍を取得したと主張したうえで「ロシアでは、18歳の誕生日を前に、皆、徴兵事務所に出向くよう指示されるものだ」と正当化していました。

子どもの連れ去りをめぐっては、ICC=国際刑事裁判所がことし3月、リボワベロワ氏とプーチン大統領に対し、戦争犯罪の疑いで逮捕状を出しています。