日本を初めて公式訪問している中央アジア、キルギスのジャパロフ大統領は20日、都内でNHKのインタビューに応じました。
ジャパロフ大統領は、日本は政府開発援助などを通じて、長年、キルギスの開発支援を続けていると謝意を示した上で「日本のパートナーとの新たな協力の形を模索している」と述べ、水力発電の近代化や気候変動対策などでの協力の拡大に期待を示しました。
また、来年、日本と中央アジア5か国との首脳会合がカザフスタンでの開催に向けて調整が進んでいると明らかにした上で、日本が提唱する地域間協力の枠組みを通じて関係強化に意欲を示しました。
一方、旧ソビエトのキルギスは、ウクライナ侵攻を続けるロシアと経済、安全保障面で強い結び付きを保つとともに、隣国、中国とも経済連携を深め、去年、最大の貿易相手国となりました。
ジャパロフ大統領は、緊迫化する国際情勢を踏まえ「いかなる紛争も国連憲章に沿って平和で外交的な手段によってのみ解決されるべきだと信じている」として、キルギスとしてはあくまで中立の立場だと強調しました。
また「現在の複雑な地政学的状況と一部の国の制裁政策により貿易・経済関係に困難が生じている」と述べ、欧米側によるロシアへの経済制裁もにらみ、新たな物流ルートの確保に取り組んでいると説明しました。
さらに中国が主導する巨大経済圏構想「一帯一路」についてジャパロフ大統領は「『一帯一路』の実現によりわが国は中継国として世界市場に参入することができる」と述べ、中国との連携拡大も欠かせないという考えを示しました。

キルギス大統領 日本との地域間協力の枠組みで関係強化に意欲
日本を初めて訪れている中央アジア、キルギスのジャパロフ大統領が、NHKのインタビューに応じ、日本との間の地域間協力の枠組みを通じた関係強化に意欲を示したほか、水力発電の近代化や気候変動対策などでの協力の拡大に期待を示しました。