日本を訪れているユニセフのキティ・ファンデルハイデン事務局次長は、20日、都内でNHKのインタビューに応じました。
ファンデルハイデン事務局次長は、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの襲撃とイスラエル軍によるガザ地区への攻撃によって、数千人の子どもが犠牲になっている現状について、「この戦争の真の代償は、失われた子どもたちの命、永遠に変わってしまった子どもたちの人生だ。ガザ地区の状況は悲惨そのもので、子どもたちの墓場となりつつある」と強い懸念を示しました。
そしてガザ地区の子どもたちのために食料や水、医薬品などの提供が急務になっているとしたうえで、傷ついた心のケアなども喫緊の課題だと指摘し「子どもたちは紛争を始めたわけでもなく、紛争を止めることもできない。子どもたちが生き延び、成長していけるよう、直ちに暴力を止めるべきだ。時間がたてばたつほど多くの子どもが傷ついていく」と述べ、国際社会が即時停戦に向けて働きかけを強めるよう、訴えました。
また20日が国連の定めた「世界子どもの日」であることも踏まえ、世界各地で多くの子どもが武力紛争や気候変動、新型コロナウイルスの感染拡大によって深刻な影響を受けているとして、いかなる場所でも子どもが不自由なく生活できる環境を整えていく重要性を強調しました。
ユニセフ事務局次長「ガザ地区は子どもたちの墓場に」
イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が続き、ガザ地区などで多くの子どもが犠牲になる中、ユニセフ=国連児童基金のファンデルハイデン事務局次長がNHKの取材に応じ「ガザ地区は子どもたちの墓場になりつつある」と強い懸念を示したうえで、国際社会が即時停戦に向けて働きかけを強めるよう、訴えました。