宝塚歌劇団 上下関係など実態聞き取り 改善の具体策まとめへ

宝塚歌劇団に所属する25歳の劇団員が死亡したことを受け、歌劇団側は、劇団員全員に聞き取るなどして、過密な稽古のスケジュールや上下関係などの実態を調べたうえで、外部の意見を取り入れながら、組織風土の改善に向けた具体策をとりまとめていくことにしています。

宝塚歌劇団の宙組に所属していた25歳の劇団員は、入団7年目のことし9月、兵庫県宝塚市で死亡しているのが見つかり、自殺とみられています。

歌劇団は今月14日、いじめやパワハラは確認できなかったとする一方、長時間の活動などで強い心理的負荷がかかっていた可能性は否定できないとする、調査報告書の内容を公表しました。

この調査とは別に、歌劇団は、過密な稽古のスケジュールや上下関係などの実態を把握するため、宙組以外の組を含むおよそ400人の劇団員全員とスタッフを対象に聞き取りを進めています。

歌劇団を運営する阪急電鉄などは、聞き取りの内容を踏まえて、外部の専門家の意見を取り入れながら、組織風土の改善に向けた具体策をとりまとめていくことにしています。

どのような枠組みで検証を行うかはまだ決まっていませんが、関係者によりますと、ハラスメント問題の専門家などから人選を進めているということです。

歌劇団側は、伝統的に受け継がれてきた慣習のうち、今の時代に適さないものについては、外部の意見をもとに見直しにつなげたい考えです。

遺族側「完全に独立した調査チームが聞き取り行うべき」

宝塚歌劇団に所属していた25歳の劇団員が死亡したことを受けて、歌劇団が過密な稽古のスケジュールや上下関係などの実態を把握するため、劇団員全員に聞き取りを行い、具体的な改善策について検討するという方針について、遺族側の弁護士が20日、見解を文書で公表しました。

遺族側は、長時間の業務や上級生のパワハラが亡くなった原因だと主張していて、歌劇団による聞き取りでは、劇団員が安心して事実や意見を述べることが難しいとして、完全に独立した調査チームが聞き取りを行うべきだとしています。

さらに、現役の劇団員だけでなく、歌劇団から離れていて制約がない元劇団員への聞き取りも行うべきだとしています。