来年度の診療報酬改定“引き下げで負担軽減”財政審

財務大臣の諮問機関「財政制度等審議会」は、来年度の予算編成に向けた提言をまとめ、焦点となっている診療報酬の改定について、現役世代の負担を軽減するため、医療従事者の人件費などにあたる部分を引き下げるよう求めました。

財政制度等審議会は、20日の会合で来年度予算案の編成に向けた提言にあたる「建議」をとりまとめ、分科会長を務める経団連の十倉会長が鈴木財務大臣に手渡しました。

この中では、来年度予算案で焦点となる診療報酬の改定について、現役世代の保険料負担を軽減するため、医療従事者の人件費などにあたる部分を引き下げるよう求めました。

財務省が行った調査では、診療所の利益率は平均8%と高い水準となっていて、これを全産業の平均程度となるよう診療報酬を見直すことで、保険料の負担を総額で2400億円減らせると試算しています。

一方、医療従事者の待遇改善への配慮も必要になりますが、診療所を経営する医療法人の利益剰余金を活用することなどで、賃上げに必要な原資は確保できるとしました。

また、建議では、今後の財政運営について、コロナ禍で膨らんだ歳出構造を平時に戻すことは当然としたうえで、今後、物価高や金利上昇が常態化する可能性があり、国債の利払い費が急激に増えるリスクも念頭に置いて、財政余力を確保していくことが求められると指摘しました。

増田分科会長代理 “診療報酬改定 国民的な議論を”

財政制度等審議会の増田寛也 分科会長代理は、記者会見で、来年度予算案の焦点となる診療報酬の改定について、「岸田総理大臣が現役世代の実質賃金、手取りの上昇を政策課題に据える中、必要な水準以上に診療報酬を維持すれば、その分、保険料は引き上がることになる。診療所の収益を守るか、勤労者の手取りを守るのかといった、国民的な議論をぜひお願いしたい」と述べました。

また、金利が上昇する中での今後の財政のあり方について、増田分科会長代理は「相当多額の借金をして予算を編成していることを考えると、金利の上昇が続けば、利払い費が大きくなって財政の硬直性が増していくことになり、政策的な財政運営を行うのが非常に難しくなる。今こそ財政健全化に切り替えていく大きな節目だ」と述べました。