ウクライナ軍 引き続き東岸地域で作戦展開

ロシアからの領土の奪還を目指すウクライナ軍は、南部ヘルソン州のドニプロ川東岸で、ロシア軍を3キロから8キロにわたって退却させたとして、引き続き東岸地域での作戦を展開する方針です。

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナでは、東部ハルキウ州のクピヤンシクとドネツク州のアウディーイウカ、そして南部ヘルソン州のドニプロ川東岸など、3つの前線で激しい地上戦となっているとみられます。

このうちドニプロ川東岸の前線について、ウクライナ軍の南部司令部の報道官は19日、地元メディアに対し、ロシア軍を3キロから8キロにわたって退却させたと主張しました。

その上で「一定の成果があったが、多くのロシア軍の部隊が東岸にとどまっている。やるべきことはまだたくさんある」として、引き続きロシア側に占領されている東岸地域での作戦を展開し、領土の奪還を進める考えを示しました。

一方、ヘルソン州内の住宅地に向けて19日の午前中にロシア側から攻撃があり、地元の知事は3歳の子どもを含む5人がけがをしたとSNSに投稿しました。

午後に入ってからも激しい攻撃が続いているとして、住民に警戒を呼びかけたということです。

こうした中、イギリス国防省は19日、ロシアが旧ソビエト時代に開発された高度2万メートル以上まで飛ぶことができる高高度偵察機を軍事利用しようとしていると指摘しました。

この偵察機は、いまは学術目的で利用されているということですが、軍事用の偵察機器を搭載していることが確認されたとしています。

イギリス国防省は、ロシア側は目標の位置の正確な監視や、偵察能力が欠けているとしたうえで、この偵察機を投入することで、こうした能力を高めようとしていると分析しています。