【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(20日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる20日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア・ウクライナ双方が無人機攻撃 ウクライナ南部で一時停電

ロシア国防省は19日夜、首都モスクワやモスクワ州に向かって飛来した無人機を撃墜したとし、ウクライナによる攻撃だと発表しました。

モスクワのソビャーニン市長は、無人機はモスクワの東の近郊で撃墜され、けが人の情報はないとしています。

これに先立ち、19日未明にもロシア国防省はモスクワの東の近郊でウクライナの無人機を撃墜したとしています。モスクワに対してはことし7月から8月にかけてビジネス街の「モスクワシティ」のビルに無人機が衝突するなど無人機の飛来が相次いでいましたが、最近は起きておらず、一部のロシアのメディアはモスクワ方面への無人機攻撃は先月上旬以来だと伝えています。

一方、ウクライナでもロシア軍による無人機攻撃が各地で相次ぎ、南部オデーサ州ではエネルギーのインフラ施設が攻撃されたと18日に発表され、その後、周辺のおよそ2100世帯が一時停電となったとしています。

ゼレンスキー大統領 軍医療部門統括の司令官を交代

ゼレンスキー大統領は19日、SNSで「軍に対する新たな医療支援が必要だ」としてウクライナ軍の医療部門を統括する司令官を交代させたと明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は、今月3日には軍の特殊作戦を担当する司令官を新たに任命したと発表するなど、司令官を相次いで交代させています。

ウクライナ軍「ドニプロ川東岸でロシア軍を数キロ退却させた」

ウクライナでは、東部ハルキウ州のクピヤンシクとドネツク州のアウディーイウカ、そして南部ヘルソン州のドニプロ川東岸など、3つの前線で激しい地上戦となっているとみられます。

このうちドニプロ川東岸の前線について、ウクライナ軍の南部司令部の報道官は19日、地元メディアに対し、ロシア軍を3キロから8キロにわたって退却させたと主張しました。

その上で「一定の成果があったが、多くのロシア軍の部隊が東岸にとどまっている。やるべきことはまだたくさんある」として、引き続き、ロシア側に占領されている東岸地域での作戦を展開し、領土の奪還を進める考えを示しました。

一方、ヘルソン州内の住宅地に向けて19日の午前中にロシア側から攻撃があり、地元の知事は3歳の子どもを含む5人がけがをしたとSNSに投稿しました。

午後に入ってからも激しい攻撃が続いているとして、住民に警戒を呼びかけたということです。

英 国防省「ロシアが旧ソビエト時代の偵察機を利用」

イギリス国防省は19日、ロシアが旧ソビエト時代に開発された高度2万メートル以上まで飛ぶことができる高高度偵察機を、軍事利用しようとしていると指摘しました。

この偵察機は、いまは学術目的で利用されているということですが、軍事用の偵察機器を搭載していることが確認されたとしています。

イギリス国防省は、ロシア側は目標の位置の正確な監視や、偵察能力が欠けているとしたうえで、この偵察機を投入することで、こうした能力を高めようとしていると分析しています。