7人制ラグビー 日本代表 男女ともにパリ五輪の出場権獲得

7人制ラグビーの男女の日本代表は、大阪で行われたアジア予選でともに優勝し、来年のパリオリンピックの出場権をそろって獲得しました。

7人制ラグビーは、15人制と同じ広さのグラウンドで通常、前半と後半7分ずつで試合が行われ、基本的なルールは15人制と変わりませんが、スクラムを3人どうしで組むなど違いもあります。

日本代表は、男女ともにパリオリンピックでのメダル獲得を目標に掲げています。

19日は、優勝すればオリンピックの出場権が得られるアジア予選の準決勝や決勝が大阪市で行われ、1次リーグを通過した男女の日本代表が試合に臨みました。

このうち男子は、準決勝でUAE=アラブ首長国連邦に21対5で勝利し、決勝で香港と対戦しました。

この試合、日本は先制のトライを許すなど前半を7対14で終え、後半は得点を奪えない苦しい展開が続きました。

それでも6分に、谷中樹平選手のトライとその後のゴールキックで14対14の同点に追いつくと、終了間際のプレーで丸尾崇真選手がトライを決め21対14で逆転勝ちしました。

一方、女子は、準決勝で香港に33対5と快勝し、中国との決勝では大谷芽生選手の2トライの活躍などで21対14で勝ちました。

7人制ラグビーは、2016年のリオデジャネイロオリンピックから正式に採用されましたが、日本は男女ともに3大会連続でのオリンピック出場となります。

男子キャプテン林「どんどん強くなっている」

男子のキャプテン、林大成選手は「ホームでの国際舞台ということで、わくわくした気持ちと不安な気持ちがあった。その中でホームの応援を力にすることができた。疲労やプレッシャーの中でも判断を間違えないような練習に焦点を当ててきて、それが結果につながった」と振り返っていました。

そして「自分たちがどんどん強くなっている実感がある。いまが充実しているので、パリに向けてもメダルを獲得できるようチャレンジしていきたい」と話していました。

女子キャプテン平野「世界と戦う準備を」

女子のキャプテン、平野優芽選手は「しっかりと勝って日本のファンの前でオリンピック出場を決めることができた。ほっとしている」と心境を話しました。

勝因については「後半のきつくなってきた時間帯でも、相手より動き続ける自信があった。そこでチームとしてつながり続けることができた」と振り返っていました。

平野選手は最下位の12位に終わった東京オリンピックにも出場していて、「前回のオリンピックでは悔しい思いをしている。パリに向けたスタートラインに立てたので、メダルを獲得できるように頑張りたい。これから世界と戦う準備をしていきたい」と意気込んでいました。

男子 トライの丸尾「日々やってきたことが出た」

決勝のトライを決めた丸尾崇真選手は「外が空いていたのがわかった。日々やってきたことが出たプレーで、特別なものではない。トライを決めた瞬間はほっとした」と勝利を手繰り寄せたシーンを振り返りました。

また「試合中はミスがあり、何度もダメかもしれないと思うことがあったが、それでも最後は勝つとみんなが思っていた。その気持ちが勝利につながった」とチームの一体感を勝因に挙げました。

そしてパリオリンピックに向けて「体格や身体能力では劣るが、日本には他にはない、チームで戦う姿勢や諦めない強みがある。もう一度ジャパンの強みは何かを再確認していきたい。チームとして成長できることを楽しみにしている」と笑顔で話していました。

女子 2トライの大谷「本当にうれしい」

決勝で2つのトライを決める活躍を見せた大谷芽生選手は「ここに向けてチーム全員で準備してきたので、オリンピック出場を決めることができて本当にうれしい」と率直な気持ちを語りました。

自身の鋭い突破からのトライについては「練習から個人の仕掛けで相手のディフェンスの裏に出ることを意識してきた。自分の強みである思い切り前に出る意識がトライにつながった」と笑顔で振り返りました。

パリオリンピックに向けては「前回の東京大会では最下位に終わっているので、パリではメダルを獲得できるように頑張りたい。世界で戦えるようにタックルやフィジカルを強化していきたい」と具体的な強化ポイントを挙げていました。