パラ競泳の日本選手権は佐賀市で2日間の日程で開かれ、最終日の19日は男子100メートルバタフライ、視覚障害のクラスに東京パラリンピックのこの種目でワンツーフィニッシュを果たした木村選手と富田選手が出場しました。
木村選手は前半をトップで折り返すと、後半も安定感のある泳ぎを見せ、富田選手を引き離して1分2秒04で優勝しました。
富田選手は1分4秒06で2位でした。
木村選手は東京大会のあとから、バタフライでオリンピック2大会連続の銅メダルを獲得した星奈津美さんの指導を受け、本格的なフォームの改善に取り組んでいて、19日は理想の泳ぎまで「まだ4割程度」の状態で、レースに臨んだということです。
それでも、フォームの改善後に臨んだことしの世界選手権からタイムを0秒43縮めました。
2人は50メートル自由形、視覚障害のクラスにも出場し、木村選手が26秒54で優勝し、富田選手は26秒90で2位でした。
また、来年のパリオリンピックとパラリンピックの両方の出場を目指す石原愛依選手は、先月から強化を進めてきたという女子50メートル自由形の視覚障害のクラスに出場し、日本記録を0秒32更新する27秒27のタイムで優勝しました。
このほか、パリパラリンピックでは実施されない種目の男子200メートル自由形、運動機能障害のクラスで15歳の川渕大耀選手が2分5秒46のアジア新記録をマークして優勝しました。

パラ競泳日本選手権 男子100mバタフライ 木村敬一が優勝
パラ競泳の日本選手権は男子100メートルバタフライの視覚障害のクラスで、東京パラリンピックの金メダリストで全盲の木村敬一選手が優勝しました。
木村敬一「前半部分ではいい泳ぎができた」
木村敬一選手はフォームの改善に取り組むバタフライについて「記録も泳ぎも悪くはないが、いまひとつだった。ただ、バタフライではターンのときにちょっと詰まってしまって、多少の減点はあるものの前半の部分では結構いい泳ぎができた気がする」と振り返りました。
また、この大会で初めて星奈津美さんがタッパーと呼ばれるターンやゴールのタイミングを知らせる介助者を務めていて「技術的なところやトレーニングも含めてよく一緒に練習しているので、レースでたたいてもらえるというのがいちばんいい形だと思う」と話していました。
その上で来年のパリパラリンピックに向けて「1日1日の価値はどんな時でも変わらないと思うので、1歩ずつ着実に歩んでいきたい。いい泳ぎを作り上げてそこに記録や金メダルがついてくるようにしたい」と意気込んでいました。
また、星さんは「この1週間くらいずっと緊張していたが、木村選手がうまく合わせてくれてほっとした。バタフライは確実に上達していると思うので、一緒に頑張っていきたい」と話していました。
富田宇宙「悔いの残るレースになった」
富田宇宙選手は100メートルバタフライについて「最初のタッチがうまく合わなくて1秒弱ぐらいロスしてしまった。その後もうまくリズムを取り戻せずに悪いタイムだったので悔いの残るレースになった」と振り返りました。
その上で「今回練習してきたことがうまく出せなかった部分については次のレースでしっかり出せるように気持ちをもう1回持ち直して練習を繰り返して精度を上げていきたい」と話していました。
石原愛依「すごい悔しいレースになった」
石原愛依選手は日本記録を出した女子50メートル自由形、視覚障害のクラスのレースについて「もうちょっといいタイムが出るかなと自分に期待していた部分もあったのですごい悔しいレースになった。自由形は今すごく改善している途中なのでいきなりうまくいくとは思っていなかったが、今後の糧になるレースになったので、あすからの練習につなげていきたい」と話していました。