フィリピン大統領 中国の習主席と会談 緊張緩和へ意見交わす

フィリピンのマルコス大統領は、訪問先のアメリカで中国の習近平国家主席と会談し、南シナ海で先月、フィリピン軍の輸送船と中国海警局の船が衝突したことに懸念を示した上で、緊張の緩和に向けた方策について意見を交わしました。

フィリピン大統領府の発表によりますと、マルコス大統領は、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席するため訪問中のアメリカで、17日、中国の習近平国家主席と会談しました。

この中でマルコス大統領は、南シナ海の南沙諸島、英語名スプラトリー諸島の海域で先月、フィリピン軍の輸送船と中国海警局の船が衝突したことに懸念を示したということです。

その上でフィリピンの漁業者の窮状を訴え、安心して操業できるよう緊張緩和に向けた方策について意見を交わしたということで、両首脳は、南シナ海をめぐる対立によって両国関係のすべてを決定づけるべきではないという考えで一致したとしています。

中国とフィリピンの首脳会談は、マルコス大統領が中国を訪問したことし1月以来で、今回はフィリピン側の要望で実現したとされ、フィリピンとしては対話を通じて問題の解決を図りたい考えです。