東京パラリンピックの金メダリスト、山口選手はことし3月、男子100メートル平泳ぎでみずからの世界記録を0秒99更新する1分2秒75をマークすると、8月の世界選手権では、この種目3連覇を果たしてパリパラリンピックの代表に内定しました。
山口選手は18日、佐賀市で開幕したパラ競泳の日本選手権に出場し、男子100メートル平泳ぎ知的障害のクラスに出場しました。
先月、中国で開かれたアジアパラ大会の疲れがあったという山口選手は、みずからが持つ世界記録には2秒余り届きませんでしたが、持ち味の力強い泳ぎを見せて1分5秒12で優勝しました。

パラ競泳日本選手権 佐賀で開幕 100m平泳ぎで山口尚秀が優勝
パリパラリンピック代表に内定しているパラ競泳、知的障害のクラスの23歳、山口尚秀選手が18日、佐賀市で開幕した日本選手権に出場し、世界記録を持つ男子100メートル平泳ぎで優勝しました。
山口尚秀「さらに上の段階目指す」
山口選手は、18日のレースについて「気持ちよく泳ぐことができたが、先月のアジアパラ大会の心身の疲れが出た。ただ、この大会で泳ぎの中での体重移動の大切さを認識することができた」と振り返りました。
そのうえで、2連覇を目指すパリパラリンピックに向けて「自分のイメージどおりに泳ぐためには、さらに上の段階を目指す必要があると考えている。これからどんどん練習してレベルアップにつなげたい」と意気込んでいました。
女子50m背泳ぎ 石浦智美が優勝 視覚障害クラス
女子50メートル背泳ぎの視覚障害のクラスは、パリパラリンピックでは実施されない種目ですが、石浦智美選手がスタートからぐんぐんとスピードに乗ってみずからが持つ世界記録を0秒44更新する35秒09をマークし、優勝しました。
石浦智美「世界記録を更新できて安心した」
石浦選手は、今大会4種目に出場していて「スプリント力を鍛えるために50メートルの種目に絞って出場した。その中でことし3月に出した世界記録を更新できて安心した」と振り返りました。
この大会のあとは100メートルの種目の強化に励むということで「今回の50メートル背泳ぎのタイムから見ると、100メートルでも世界と戦えるレベルに上がってきたと思う。さらに上を目指して頑張っていきたい」と話していました。
女子50m背泳ぎ 石原愛依が優勝 視覚障害クラス
来年のパリオリンピックとパラリンピックの両方の出場を目指す石原愛依選手が女子50メートル背泳ぎの視覚障害のクラスに出場し、伸びのある泳ぎで世界記録より0秒78速い29秒94をマークして優勝しました。
石原選手は、パラの選手として国際大会などへの出場に必要な障害の程度を決めるクラス分けが済んでおらず、世界記録には認められませんが、日本記録として認定されるということです。
石原愛依「すごくいいレースができた」
石原選手は「ふだんは出場しない50メートルの種目で楽しみな気持ちと不安な部分もあったが、挑戦ということで臨んだ。その結果、自己ベストを出すことができたし、日本記録も更新できたのですごくいいレースができた」と笑顔で振り返りました。
21歳の石原選手は、高校3年の時に世界ジュニア選手権で2つの銅メダルを獲得するなど健常者の大会で活躍しましたが、大学2年生の頃から視野が狭くなる症状が出始め、ことしからパラ競泳の大会にも出場しています。来年のパリオリンピックとパラリンピックの両方の出場を目指していて、今後に向けては「オリとパラの両方を両立していきたい。自分が今できることを精いっぱいやっていきたい」と話していました。
男子200m個人メドレー 荻原虎太郎が優勝 運動機能障害クラス
男子200メートル個人メドレー、運動機能障害のクラスは、荻原虎太郎選手がみずからが持つ日本記録を1秒72更新する2分29秒34のタイムで優勝しました。
荻原虎太郎「自己ベスト更新の要因は平泳ぎの強化」
荻原選手は200メートル個人メドレーでみずからが持つ日本記録を更新したことについて「自己ベスト更新の大きな要因は平泳ぎの強化だと思う。苦手なものを克服していこうと練習に取り組んだ。特にキックが推進力に関わると聞いて、キックの練習をずっとして、本当に嫌な練習もいっぱいあったけど大きく変わった」と分析していました。
そのうえで「今回新しく取り入れた練習がしっかり結果に結び付いたので、他の泳ぎもしっかり練習してタイムを上げられるようにしたい」と意気込んでいました。