ウクライナ軍 南部に複数の拠点築く 東部では激戦続くか

ウクライナ軍は南部のドニプロ川の東岸に複数の拠点を築き、陣地を固めていると強調しました。一方、ロシア軍は無人機による攻撃を繰り返しているほか、東部で攻勢を強め、激しい戦闘が続いているものとみられます。

ウクライナ軍は、南部ヘルソン州でロシア側が占領するドニプロ川の東岸に、複数の拠点を築いたと主張しています。

これについて軍の参謀本部は17日、SNSに「作戦の主な目的の1つは、川の西岸から敵を遠ざけることだ」と投稿しました。

ヘルソン州ではロシア軍が1年前に州都ヘルソンなど川の西岸地域から撤退したあとも対岸から砲撃を繰り返していて、参謀本部は「住民を守るためだ」としたうえで18日には東岸で陣地を固めていると強調しました。

一方、ウクライナ空軍は18日、ロシア軍が無人機合わせて38機で各地への攻撃を仕掛け、このうち29機を撃墜したと発表しました。

首都キーウの当局は「今月に入り2回目となる無人機攻撃が仕掛けられた」とSNSに投稿し、防空システムですべて迎撃され被害はなかったものの、警戒を強めるよう市民に呼びかけています。

また、ロシア軍はウクライナ東部で攻勢を強め、ドネツク州の拠点アウディーイウカを包囲しようと部隊を近郊まで前進させていて、拠点の守りを固めるウクライナ軍との激しい戦闘が続いているものとみられます。

イギリス国防省は18日、アウディーイウカの周辺でロシア軍は多くの死傷者を出し続けていると指摘したうえで「東部では本格的な冬の到来に伴い、戦線に大きな変化が生じる見通しは当面なさそうだ」と、こう着状態になる可能性も示しました。