APEC閉幕 首脳宣言で成果強調も 中東やウクライナには言及せず

アメリカ西部、サンフランシスコで開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が閉幕しました。閉幕後に出された首脳宣言では「自由で開かれた貿易・投資環境を提供するという決意を確認した」と成果を強調した一方で、中東で続く衝突やロシアによるウクライナ侵攻についての言及はありませんでした。

太平洋を囲む21の国と地域でつくる経済協力の枠組み、APECの首脳会議は、岸田総理大臣も出席し、アメリカ西部、サンフランシスコで2日間の日程で開かれました。

日本時間の18日朝早く、アメリカのバイデン大統領が全体を締めくくる演説を行い、「われわれはアジア太平洋地域に包括的で力強く、持続可能な経済を作り上げる方法を模索するため討議を重ねた」と述べました。

そして閉幕後に首脳宣言が発表され「自由で開かれた透明性の高い貿易・投資環境を提供するという決意を確認した」として成果を強調しました。

一方で、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突や、ロシアによるウクライナ侵攻についての言及はなく、アメリカが出す「議長声明」で触れられるにとどまりました。

ウクライナ侵攻が首脳宣言に盛り込まれなかったことについてバイデン政権の高官はNHKの取材に対し「ロシアと中国も参加しており、APECで意見の一致を見るのは難しかった。両国はこうした会議の場を利用して重要な問題から注意をそらそうとしている」と批判しました。

APECの来年の議長国は南米のペルーが務めることになります。