中国 人身売買で偽の出生証明販売 全土で取締り実施へ

中国各地の病院で、人身売買された子どもに新たな戸籍を取得させるため、偽の出生証明が販売されていたことがSNSでの投稿をきっかけに波紋を広げ、保健当局が全土の医療機関を調査して大規模な取締りを実施することになりました。

この問題は、中国内陸部の湖北省や南部の広東省など、各地の病院で、人身売買された子どもに新たな戸籍を取得させるため、偽の出生証明が販売された疑いがあることがSNSでの投稿をきっかけに波紋を広げ、今月、病院の院長らが逮捕・拘束されました。

これを受けて、中国の保健当局、国家衛生健康委員会は17日、「子どもの権利と利益を損なう出生証明の偽造は厳しく取締り、決して容赦しない」とする声明を出しました。

そして、中国全土の医療機関で違法行為がないか調査すると発表し、出生証明の偽造や販売に関する情報の提供を呼びかけています。

中国では、跡継ぎや労働の担い手として男の子を欲しがる風潮などもあることから、子どもの誘拐や人身売買の被害があとを絶ちません。

各地の病院が犯罪の温床となっているという実態の衝撃が、SNSを通じて広がり、保健当局による大規模な取締りに発展する事態となっています。