ゼロゼロ融資返済で苦境の企業支援“事業再生を軸に” 金融庁

いわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化する中、過剰な債務を抱えて事業の継続が危ぶまれる中小企業も出ています。こうした中、金融庁はこれまでの資金繰り面の対応から事業再生を軸とした支援の形に転換する必要があるとして金融機関に対し、取り引き先の事業再生に向けた取り組みを早いタイミングで実施するよう求めていくことにしています。

新型コロナ対策として中小企業などを対象に実施された実質無利子・無担保のいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化する中、過剰な債務を抱え、物価高や人手不足も重荷となって倒産に追い込まれる中小企業が相次いでいます。

こうした中、金融庁はこれまでの資金繰り面の対応から事業再生を軸とした支援の形に転換する必要があるとして、金融機関に対し取り引き先の事業再生や経営の改善に向けた取り組みを早いタイミングで実施するよう求めていくことにしています。

具体的には、金融機関が取引先と積極的にコミュニケーションをはかりながら経営悪化の兆候をできるだけ早く把握し、経営改善計画の策定や事業再生に向けたメニューの提案など金融機関に期待されるコンサルティング機能を発揮するよう促していくことにしています。

金融庁は月内にもこうした方針を金融機関に示すことにしています。