米ケリー特使 温室効果ガス削減へ”中国と共同で発表”見通し

アメリカのバイデン政権で気候変動問題を担当するケリー特使が、NHKのインタビューに応じました。ケリー特使は、1年ぶりに行われた米中首脳会談を受けて、両国は、今月末から始まる国連の気候変動対策の会議「COP28」で、温室効果ガスの削減に向けた具体的な方策を共同で発表するという見通しを明らかにしました。

15日に行われたアメリカのバイデン大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談で両国は、停止していた、気候変動対策を話し合う作業部会を再開させるなど協力を強化すると発表しました。

この米中首脳会談の場に同席したアメリカのケリー特使が、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が開かれているサンフランシスコで、16日、NHKのインタビューに応じました。

この中で、ケリー特使は、米中首脳会談について「非常に建設的で前向きなものだった。会談に同席した全員が大きな前進につながると感じた」と評価しました。

そして「私たちは、気候変動分野での行動を急がなければならないという認識で一致した。米中両国は、再生可能エネルギーの利用の拡大や、強い温室効果があるとされるメタンをめぐって協力していくことになる」と述べました。

気候変動対策をめぐっては国連の会議「COP28」が、今月30日からUAE=アラブ首長国連邦で開かれます。

この会議について、ケリー特使は「『COP28』で両国は、より迅速な温室効果ガスの排出削減につながる方策について発表することになる」と述べ、米中両国が再生可能エネルギーやメタンに関連した取り組みを共同で発表するという見通しを明らかにしました。