柿沢前副大臣の事務所など捜索 特捜部 捜索は本人の買収容疑

ことし4月に行われた東京 江東区の区長選挙をめぐる公職選挙法違反事件で、東京地検特捜部が柿沢未途前法務副大臣本人の買収の疑いで地元事務所などを捜索していたことが、関係者への取材でわかりました。区議会議員への現金の提供には柿沢議員の複数の秘書が関わっていたということで、特捜部は選挙運動の実態解明を進めるものとみられます。

ことし4月の江東区長選挙をめぐり、東京地検特捜部は16日、前法務副大臣で自民党の柿沢未途衆議院議員(52)の江東区の事務所のほか、秘書や区議会議員らの自宅などを一斉に捜索しました。

関係者によりますと、16日の捜索は木村弥生前区長を支援した、柿沢議員本人による公職選挙法違反の買収の疑いで行われたということです。

保守分裂の構図となった区長選挙で、柿沢議員は自民党推薦の候補ではなく木村前区長を支援し、柿沢議員の秘書や後援者らが陣営を取り仕切っていたとされ、柿沢議員の複数の秘書が、選挙前、少なくとも十数人の区議会議員に現金を渡そうとしていて、このうち一部の議員が1万円から20万円を受け取っていたということです。

これについて、柿沢議員側と受け取った複数の区議会議員は「区議選の陣中見舞いで、買収にはあたらない」などと、いずれも違法性を否定しています。

特捜部は、現金を渡したとされる秘書からも任意で事情を聴いていて、柿沢議員の関わりや渡された現金の趣旨などの解明を進めるものとみられます。