福島第一原発 “予定外の操作で廃液飛散” 東電 調査結果公表

福島第一原発にある汚染水の処理設備を洗浄していた作業員に放射性物質を含む廃液がかかったトラブルで、東京電力は、廃液の排出量を調整しようと予定外の操作を行ったことなどで、廃液の飛散につながったとする調査結果を公表しました。

この作業では、予定を変更する際にリスクを確認する仕組みはなかったということです。

10月25日、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の処理設備で行われていた配管の洗浄作業中に、放射性物質を含む廃液をタンクに流すホースが外れて作業員に廃液がかかり、汚染が確認された作業員2人が一時、入院しました。

東京電力は16日、作業の元請け会社の東芝エネルギーシステムズがまとめた報告書を公表しました。

それによりますと、当時、廃液をタンクに排出する量を調整しようと、弁を少し閉める予定外の操作を行った結果、洗浄作業で剥がれた化合物の塊が弁に引っ掛かって配管の圧力が高まったことや、設備の配置の関係で、ホースの固定位置が先端から離れていたことから、廃液が勢いよく流れた反動でホースが外れ飛散したとしています。

いずれも現場の判断で行った操作でしたが、予定を変更する際に元請け会社などがリスクを確認する仕組みはなかったということです。

これを受けて東京電力は、元請け会社に対し、予定外の操作を行わないことや、作業管理の徹底などを求めたということです。

公表した廃液の飛散量の訂正について

また、当初、「およそ100ミリリットル」と公表していた廃液の飛散量を、その後、数十倍にあたる「数リットル」に訂正したことについては、その時点での情報をすみやかに伝えなければと考え、情報が更新される可能性があることを明確に伝えていなかったとし、今後は、正確でわかりやすい情報発信に努めるとしています。