ミャンマー 軍の兵士の投降相次ぐ 民主派勢力攻勢で

クーデター後、軍が実権をにぎるミャンマーで、民主派勢力と少数民族の武装勢力が各地で戦闘を拡大し、民主派勢力は軍の兵士の投降が相次いでいるとしていて「歴史的な一里塚となった」と攻撃の成果を強調しています。

ミャンマーでは、おととしのクーデター以降、実権を握る軍に対して、先月末から民主派勢力を支援する3つの少数民族の武装勢力が、東部シャン州で一斉に攻撃を始め一部の町や軍の施設を支配下におさめました。

こうした中、民主派勢力の組織「国民統一政府」によりますと、シャン州と中国の国境近くで12日、軍の兵士とその家族、およそ260人が投降したということです。

さらに東部カヤー州でも15日、軍が駐屯していた大学で30人余りの兵士が呼びかけに応じて投降したとしています。

国民統一政府は11日に発表した声明で「われわれの戦いは10月以降、さらに大きなうねりとなった。歴史的な一里塚となった」と軍への攻撃の成果を強調しています。

一方、軍の報道官は15日、国営メディアで「いくつかの軍事施設では、兵士とその家族が民主派勢力からの攻撃に反撃し続けている」と述べ、攻勢にさらされていることを認めました。

ミャンマー軍は、各地で戦闘に直面していて、相次ぐ兵士の投降でクーデター後初めて軍の統制の乱れが露呈した形です。

民主派司令官 “今回の一斉攻撃 退陣促す軍内部への圧力にも”

少数民族の武装勢力と連携して南東部カレン州で軍と戦闘を行っている民主派の武装勢力のマウン・サウン・カー司令官は、11月8日にオンラインでNHKとのインタビューに応じました。

この中で司令官は「今回の一斉攻撃はミャンマー軍の部隊に相当の心理的プレッシャーを与え、ミン・アウン・フライン司令官に退陣を促す軍内部への圧力にもなっている。長期的に、軍の立場と安定を揺るがすことになるかもしれない」と話し、クーデター後のミャンマー情勢の転換点になりうるという見方を示しました。