大相撲九州場所5日目 2場所連続優勝目指す貴景勝が4勝目

大相撲九州場所は5日目、2場所連続優勝を目指す大関 貴景勝は15日、今場所初黒星を喫しましたが、16日は大関経験者の高安に勝って連敗はしませんでした。

九州場所は4日目の15日、3人の大関のうち貴景勝と霧島が敗れ、大関陣では豊昇龍がただ1人4連勝としていました。

2場所連続優勝を目指す貴景勝は15日霧島を破った高安と対戦し、立ち合いから右にずれて高安をいなすと、そのまま押し出して4勝目をあげて連敗はしませんでした。

大関陣で唯一、4連勝中の豊昇龍は平幕の豪ノ山と対戦しました。

豪ノ山が先に手をつく中、豊昇龍が手をつかず取組がなかなか成立しませんでしたが、立ち合いでは豊昇龍が立ち遅れながらも豪ノ山を押し返し、押し出しで5連勝としました。

霧島は結びの一番で、15日貴景勝を破った明生にはたき込みで勝って、こちらも連敗はしませんでした。

ともに4連勝中の関脇、大栄翔と琴ノ若の直接対決は琴ノ若が肩透かしで制し、5連勝としました。

もう1人の関脇、若元春は前頭筆頭の宇良に勝って3勝目を挙げました。

このほか平幕では熱海富士と一山本がそれぞれ勝って5連勝としています。

中入り後の勝敗

▽ともに新入幕どうしとなった東白龍と狼雅の一番は、東白龍が「はたき込み」で制しました。

▽新入幕の北の若に一山本は、一山本が「押し出し」で5連勝です。

▽錦富士に剣翔は、錦富士が「押し倒し」。

▽宝富士に新入幕の美ノ海は、美ノ海が「送り出し」。

▽友風に玉鷲は、友風が「引き落とし」。玉鷲に土がつきました。

▽竜電に平戸海は、平戸海が「寄り切り」。

▽佐田の海に御嶽海は、取り直しのすえ御嶽海が「突き落とし」。

▽妙義龍に王鵬は、王鵬が「はたき込み」。

▽琴恵光に熱海富士は、熱海富士が「寄り切り」で5連勝しました。

▽湘南乃海に遠藤は、湘南乃海が「寄り切り」。

▽金峰山に翠富士は、翠富士が「引き落とし」。

▽阿武咲に北青鵬は、阿武咲が「押し出し」。

▽隆の勝に錦木は、錦木が「小手投げ」。

▽正代に翔猿は、取り直しのすえ翔猿が「押し出し」。

▽阿炎に北勝富士は、北勝富士が「押し出し」。

▽大栄翔に琴ノ若は、琴ノ若が「肩透かし」で5連勝です。大栄翔に土がつきました。

▽宇良に若元春は、若元春が「寄り倒し」で勝ちました。

▽大関 貴景勝に高安は、貴景勝が「押し出し」で勝って1敗を守りました。

▽豪ノ山に大関 豊昇龍は、豊昇龍が「押し出し」で5連勝しました。

▽明生に大関 霧島は、霧島が「はたき込み」で勝って1敗を守りました。

初日から5連勝の豊昇龍「しっかり一日一番頑張る」

▽1敗を守った大関 貴景勝は「毎日やることは一緒だ。この5日間は全くあてにならない。また、あす集中してやる」と話していました。

▽大関でただ1人、初日から5連勝とした豊昇龍は「しっかり集中していたのでよかった。悪くはない。しっかり一日一番頑張る」と話しました。
立ち合いがなかなか成立しなかったことについては「相手が何を考えているかは分からない。自分のことだけ考えてしっかり集中すると決めていた」と振り返りました。

▽大関 霧島も連敗はせず「きょうはきょうで負けても思い切り当たろうと思っていた。きのうはだめだったけど勉強になった」と振り返りました。
敗れた明生は「いいところなし」とだけ述べ、その後の問いかけには応じず、悔しさをにじませました。

▽関脇対決を制して初日から5連勝とした琴ノ若は「受ければ苦しくなる相手だったので、動かさないようにしたのがよかったかな。前に踏み込んで相手の圧力を止めて自分の流れをという感じ」と振り返りました。
そのうえで「毎日毎日、集中してやっているので相撲のことを考えてやっていければ」と話していました。
敗れた大栄翔は「はたきに落ちてしまった。差されたのがだめだった。ここまで内容はいいので切り替えていきたい」と話していました。

▽連勝を5に伸ばした平幕力士のうち、21歳の熱海富士は「落ち着いて取れているとは思う。初日から5連勝は初めてなのでうれしい」と喜んだうえで「まだ10番あるので長い」と話していました。

▽もう1人の一山本は「いい相撲だった。差しにいこうと思ったけど、気付いたら押していた。師匠からは『お前は本当に一山本か』と言われている」と笑顔を見せました。
そのうえで「とりあえず勝ち越しを目指したい。八山本ですね」とみずからのしこ名にかけた独特の表現で目標を述べました。

豊昇龍 呼吸を合わせず審判部から注意

豪ノ山が片手をついた後、およそ1分20秒にわたって手を下ろそうとせず、呼吸を合わせなかった豊昇龍は取組後に審判部に呼び出され、口頭で注意を受けました。

幕内後半の審判長を務めた粂川親方は、「ひどすぎる。じらしすぎだ。集中したら立てるはずなんだけど。相手も手をついてないのならあれだが、片手を下ろしているのだから。横綱や大関は力士の手本にならないといけない」と指摘しました。

これについて豊昇龍は報道陣の取材に対し「相手が何を考えているかは分からない。自分のことだけ考えてしっかり集中すると決めていた」と話していました。