AYA世代のがん患者 8割近くが女性 国立がん研究センターなど

「AYA(あや)世代」と呼ばれる15歳から40歳未満の若い世代のがん患者のデータを国立がん研究センターなどが分析したところ、女性が80%近くを占めていることが分かりました。乳がんや子宮頸がんなど、女性に多いがんになる人が20代後半から増えるためだということで、妊娠や出産など、ライフステージに応じた支援が必要だとしています。

15歳から40歳未満のがん患者は「思春期と若い成人」の英語の頭文字をとって「AYA世代」と呼ばれ、年間におよそ2万人が診断を受けているとされています。

国立がん研究センターと国立成育医療研究センターは、2019年までの2年間に全国のがん拠点病院など860の施設で治療を始めた40歳未満のがんの患者6万2750人について、年齢やがんの種類などの傾向を分析しました。

このうち、AYA世代の患者は5万8062人で、男女別では、女性が4万4716人と率にして77%を占めました。

女性のがん患者では、体や臓器などを覆う「上皮細胞」から発生するがんがおよそ1万7000人と最も多く、種類別にみると、乳がんが34.2%、子宮頸がんや子宮がんが25.4%、などとなっています。

国立がん研究センターは「20代後半から30代にかけて乳がんや子宮けいがんなど女性に多いがんになる人が増えるため、AYA世代では女性の割合が高くなっていると考えられる。妊娠や出産など、ライフステージに応じた支援が必要だ」としています。