グミ食べ体調不良 東京 板橋区でも2人搬送 大麻由来成分含むか

15日夜遅く、東京 板橋区でグミを食べた男女2人が体調不良を訴えて病院に搬送されました。都内では大阪の会社が製造したグミを食べた人が体調不要を訴えるケースが相次いでいて、警視庁は大麻由来の成分が含まれている可能性があるとみて鑑定などを進めています。

15日午後11時半ごろ、東京 板橋区で「グミを食べたあと体調不良になり苦しい」などと消防に通報がありました。

捜査関係者によりますと、通報したのは20代の男女2人で、豊島区内の店舗で購入したグミを午後10時ごろに1粒ずつ食べたあと体調が悪化したということです。

グミの袋には「HHCH」と、法律で規制されていない大麻由来の成分名が書かれていました。

11月、都内では墨田区や小金井市で、大阪の会社が製造している同じグミを食べた10人が病院に搬送されるなど、体調不良を訴えるケースが相次いでいて、警視庁が鑑定などを進めています。

大阪市が製造元の会社の工場に立ち入り検査

大阪の会社が製造したグミを食べた人が体調不良を訴えるケースが都内で相次いでいることを受けて、大阪市は製造元の会社の工場に立ち入り検査を行ったことを明らかにしました。

これは、大阪市の横山市長が16日の定例の記者会見で明らかにしました。

東京の墨田区や小金井市などでは大阪の会社が製造したグミを食べた人たちが病院に搬送されるなど、体調不良を訴えるケースが相次いでいて、警視庁は大麻由来の成分が含まれている可能性があるとみて鑑定などを進めています。

大阪市によりますと、東京都から依頼を受けて今月10日、市の保健所と生活衛生課が食品衛生法と薬機法にもとづいて、大阪市内にあるグミの製造元の会社の工場に立ち入り検査を行ったということです。

工場には、グミの原材料とされる粉末があり、会社側は「HHCH」という法律で規制されていない大麻由来の成分が含まれているなどと説明したということです。

ただ、実際にその成分が原材料に含まれているかなどについては、市に権限がないため、分析や検査は行えなかったということです。

大阪市の横山市長は「健康上危険なものであるのであれば早急に法令などで規制する必要があると思っている。大阪市だけでは対応できないので国や関係部署と協力して進めていきたい」と述べました。

大阪 9月にもグミ食べ体調不良 男性4人が搬送

大阪府警察本部によりますと、ことし9月、大阪市内で20代の男性4人がグミを食べたあと、おう吐や体の震えなどの症状を訴えて病院に救急搬送されました。

いずれも症状は軽いということです。

警察の聞き取りに対し、搬送された1人は「SNSで知り合った人物から10粒入り7000円で購入した」と話しているということです。

このグミの袋には製造元として大阪の会社が記載されていて、「HHCH」と法律で規制されていない大麻由来の成分名が書かれていたということです。

大阪府内ではほかにも同じ製造元の可能性がある「グミ」を食べた複数の人が体調不良を訴えるケースがことし相次いでいるということです。

同じ製造元のグミを食べた人が体調不良を訴えるケースは東京都内でも11月、相次いでいて、警察は大麻由来の成分が含まれている可能性があるとみて鑑定などを進めています。

専門家 “大麻から抽出される成分と構造が類似”

薬物の危険性や依存に詳しい湘南医療大学薬学部の舩田正彦教授は、グミの袋に書かれていたHHCH=ヘキサヒドロカンナビヘキソールと呼ばれる成分は、大麻から抽出されるTHC=テトラヒドロカンナビノールという成分と構造が似ていると指摘します。

舩田教授は「HHCHは、THCと似た作用があると考えられ、特に食品で大量に摂取すると吐き気や意識障害を引き起こす危険がある。作用が出るまでに時間がかかるという特徴もあって、作用が出ないからといって追加で摂取してしまうおそれもあり、危険だ」と話しました。

HHCHは法律で規制されていませんが、舩田教授は「規制対象ではないことが安全性が保証されているという訳ではない。未確認だということで規制していないものも多数ある。どんな作用があるか明確でないものは摂取すべきではない。今回のグミも健康被害が出ている時点で食べるべきではないと思う」と述べました。

そして、今回のグミの成分を迅速に調べる必要があるとしたうえで、法律で規制されると未規制の成分に着目される、いたちごっこの状態が続いている現状を踏まえて「規制されている成分と作用が類似している成分についても、先手を打って包括的に禁止することも視野に入れる必要があるのではないか」と話していました。