APEC閣僚会議閉幕 ウクライナ侵攻の文言で声明とりまとめ難航

アメリカで開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の閣僚会議は15日に閉幕しましたが、ウクライナ侵攻を強く非難する文言を入れるべきだとする意見にロシアや中国が反発するなど、閣僚声明のとりまとめが難航し、引き続き、調整が続けられることになりました。

APECの閣僚会議には日本から上川外務大臣と西村経済産業大臣が出席し、APEC域内の持続的な成長などをテーマに、自由で開かれた貿易や投資環境の整備、気候変動対策などで意見が交わされました。

会議は15日に閉幕しましたが、議長国のアメリカや、日本がロシアによるウクライナ侵攻を強く非難し、世界経済への悪影響を懸念する文言を閣僚声明に入れるべきだと主張したのに対し、ロシアや中国が反発するなど意見の隔たりが埋まらず、取りまとめが難航しているということです。

このため、閣僚会議が閉幕したあとも、事務レベルで閣僚声明を取りまとめられるか、調整が続けられることになりました。

ことしのAPECの閣僚会議はこれまでも、貿易や食料安全保障などで閣僚声明をまとめられないケースが相次いでいます。

国際社会の分断が改めて浮き彫りとなる中、16日から始まる首脳会議での議論が注目されます。

西村経産相「国際情勢に対する認識に少し違いが」

APECの閣僚会議の閉幕後、西村経済産業大臣は記者団に対し、「今の段階では鋭意調整が行われているので、議論の詳細やそれぞれの国の立場についてのコメントは控えたい。ただ、ひと言で言えば、国際情勢に対する認識に少し違いがある。そうした中でどういう形で盛り込めるのか、また、どういう表現をするかで、アメリカは相当苦慮している」と述べました。