【16日詳細】イスラエル軍 “病院で作戦指揮所” ハマスは否定

イスラエル軍は15日、イスラム組織ハマスの拠点だとするガザ地区最大の病院に突入して軍事作戦を行い、ハマスの作戦の指揮所や武器などを見つけたと主張しました。

一方、ハマス側は作戦を強く非難したうえで、病院は軍事施設ではなく、イスラエル側のプロパガンダだなどと強く否定しています。

※11月16日(日本時間)のイスラエルやパレスチナに関する動きを随時更新でお伝えします。

イスラエル側の検問所で発砲 3人死亡

16日午前、ヨルダン川西岸のパレスチナ暫定自治区、ベツレヘム近郊にあるイスラエル側の検問所で発砲事件があり、イスラエル当局によりますと、6人がけがをしたということです。

イスラエルの治安部隊が反撃し、発砲したパレスチナ人とみられる3人が死亡したということです。

現場からの映像では、複数の警察車両や救急車が集まり規制線がはられているのが確認できます。

ヨルダン川西岸では、ことしに入ってからイスラエルの治安部隊やユダヤ人入植者と、住民との間で衝突が続いていて、ガザ地区で大規模な軍事衝突が始まった先月7日以降はイスラエル側が締めつけを強化しさらに情勢が不安定になっていました。

イスラエル軍 “病院内でハマスの作戦指揮所や武器”

イスラエル軍は15日、ハマスの重要な拠点があると主張してきたシファ病院に突入し、標的を絞った精密な作戦を続けていると発表しました。

作戦についてイスラエル軍は病院の敷地内での交戦で多数の戦闘員を殺害したとしたうえで、病院内でハマスの作戦の指揮所や武器などを見つけたと主張しています。

また、ネタニヤフ首相は15日、ガザ地区に近い軍の基地を訪れ、「ガザにハマスの隠れる場所はない。われわれはハマスを掃討し、人質を取り戻す」と述べ、軍事作戦を継続する意向を強調しました。

イスラエル軍 病院内の動画公開

イスラエル軍はシファ病院の中だとする7分ほどの動画を公開し、軍の報道官がMRI検査の建物だとする地上階の施設に入り、内部を英語で説明しています。

この中で、医療機器の裏にある銃や弾薬が入ったカバンを見せながら、「医療機器の裏に隠されていた」などと説明していました。

また、ハマスが使用していたとするパソコンや通信機器を見せ、中身の分析を行うなどとしています。

報道官は「病院はハマスによって組織的に軍事利用されてきた。国際法の違反だ。これは氷山の一角だ」などとしています。

一方、イスラエル軍はこれまで、ハマスの重要な拠点が病院の地下にあるとしてきましたが、こうした映像は今回公開した動画にはありませんでした。

シファ病院の医師「病室が直接狙われた」

イスラエル軍が軍事作戦に踏み切ったシファ病院の状況について、病院で働く小児科の医師がロイター通信の電話インタビューに応じ、「戦車が東側の門から入ってきて救急病棟の前で止まった。銃撃や爆弾などあらゆる種類の武器が使われた。病室が直接狙われ、壁に直径50センチメートルの穴が空いた」などと証言しました。

さらに、インタビューの間に何度も銃声が響き、医師は「戦車から銃が連射されている。とても恐ろしい状況だ」と話しています。

また、「病院への攻撃や封鎖が最終的にどのような結果に終わるのか分からない。患者たちに治療を受ける権利を与えることなく、放り出すような形で病院から立ち退かせるのではないかと恐れている」と、先行きへの不安を口にしました。

病院には患者や新生児、医療従事者など2500人ほどいたか

病院での取材を続けてきた中東の衛星テレビ局アルジャジーラはガザ地区の保健当局の話として、シファ病院には患者や新生児、それに医療従事者や避難してきた人など2500人ほどが残っていたとしていて、パレスチナ暫定自治政府のカイラ保健相は15日、「病院内で虐殺が行われるおそれがある」とする声明を発表し、病院での軍事作戦を強く非難しました。

ICUの患者7割近く死亡か 医療用酸素尽き

アメリカのABCテレビは、15日、イスラエル軍が突入したガザ地区の最大の病院、シファ病院の医師の話としてICU=集中治療室で治療を受けている63人の患者のうち、7割近くにあたる43人が医療用酸素が尽きたことで死亡したと伝えました。

また医師によりますと、病院の内外で多くの人々が死亡していて、遺体を埋葬し続けているということです。

シファ病院は危機的な状況に陥っていて、13日にもガザ地区の保健当局がイスラエル軍の攻撃や燃料不足によって新生児と患者のあわせて34人が死亡したと発表していました。

シファ病院 新たな患者受け入れできず

OCHA=国連人道問題調整事務所は15日、シファ病院を含めたガザ地区内の5つの病院で電気や物資の供給が途絶え、新たな入院患者を受け入れられなくなっていると発表しました。

すでに入院している患者に対しても、極めて限定的な医療サービスしか提供できていないということです。

またガザ地区北部では、現在、24の病院のうち新たな入院患者の受け入れが可能なのは1つの病院だけだだということです。

ハマス「プロパガンダにほかならない」

ハマスは病院は医療と市民のための建物で、軍事施設ではないと主張していて、15日もSNSで、「犯罪行為を正当化するためのいつものうそとプロパガンダにほかならない」と投稿し、シファ病院がハマスの重要な拠点となってきたとのイスラエル側の主張を強く否定しました。

バイデン大統領 “病院の下に司令部 それは事実だ”

アメリカのバイデン大統領は15日、サンフランシスコで開いた記者会見でイスラエル軍がパレスチナのガザ地区最大の病院シファ病院で軍事作戦を行ったことについて問われ「先にハマスが病院の下に司令部を隠し置くという戦争犯罪を起こしているという状況がある。それは事実であり、実際に起きたことだ」とハマス側を非難しました。

そのうえで「イスラエルは大人数の部隊で押し寄せたわけではない。兵士たちは武器や銃を持って入ったが、われわれは極めて注意深く行う必要性について事前に話し合っていた」と述べイスラエル軍が病院に突入したことを正当化しました。

また、人質の解放に向けた交渉については「人質になった人たちのことを考えない日はない。私が人質の解放のためにどのようなことができるか、またそれを実現させるために必要な戦闘休止の期間が確保できるか、1日に5回から6回、交渉に取り組んでいる。50人から100人の人質の解放について考えている」と述べました。

米ホワイトハウス “軍事作戦に理解も、医師や患者の保護を”

イスラエル軍がシファ病院への軍事作戦を行ったことについて、アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は15日、記者団に対し、ハマスが病院に戦闘員を置くなど軍事目的で利用していたと改めて指摘したうえで、「イスラエル軍がこうした施設を隠れみのとして利用するハマスの能力を取り除きたかったことは理解できる」と述べました。

一方で、「これは病院であり、本当の医師や患者もいる。彼らは可能なかぎり保護されなくてはならない」と述べ、イスラエルに対し、改めて民間人の犠牲を最小限に抑えるよう求めました。

また、カービー調整官は前日、みずからが記者団にハマスが病院を軍事利用しているとの情報分析を明らかにしたことと病院への攻撃のタイミングは「関係がない」として、あくまでもイスラエル独自の判断だと主張しました。

アメリカ首都ワシントンで停戦訴えるデモ 逮捕者も

アメリカの首都ワシントンにある与党・民主党の本部前で、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突をめぐり、停戦を訴えるデモの参加者が警察ともみ合いになり、逮捕者も出る事態となりました。

アメリカの首都ワシントンでは15日夜、連邦議会近くにある与党・民主党の全国委員会本部前でガザ地区での停戦を訴えるデモが行われました。

アメリカメディアによりますと、デモの参加者は建物の入り口の前に立ちふさがり、排除しようとした警察ともみ合いになったということです。

警備にあたる議会警察は、デモの参加者およそ150人が違法で暴力的な抗議活動を行ったため排除するとともに一部を逮捕したとしていて、警察官6人が殴られるなどしてけがをしたということです。

メディアによりますとこのデモで建物の中にいた民主党の議員らが一時避難したほか、警察が議会関係者や近くの住民に現場一帯に近づかないよう呼びかける事態となりました。一方、デモを行っていた団体は、「デモは平和的なものだった」と反論しています。

WHO テドロス事務局長「病院は戦場ではない」

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は15日、ジュネーブで開かれた記者会見で、「到底、容認できない。病院は戦場ではない」と強いことばで非難しました。

いまもシファ病院の医療従事者と連絡が途絶えていることを明らかにしたうえで、「国際人道法の下では医療施設や医療従事者、救急車、そして患者は、あらゆる戦争行為から守られ、保護されなくてはならない」と訴えました。

WHOによりますと、ガザ地区の36の病院のうち26の病院が建物の損傷や燃料切れなどのため閉鎖され、地区全体の病床数も3500床から1400床まで大きく減っているということです。

テドロス事務局長は「医師や看護師は、誰が生き、誰が死ぬのか、不可能な決断を迫られている」と述べ、医療施設への攻撃の停止と支援物資の搬入の必要性を強く訴えました。

BBC “主要な武器庫 いまだ確認できていない”

イスラエル軍がハマスの重要な拠点があるとしてガザ地区最大のシファ病院に突入し、武器を発見したと主張していることについて、イギリスの公共放送BBCは「病院での軍事作戦は国際的な批判を巻き起こしたが、主要な武器庫と呼べるものはいまだ確認できていない」と伝えています。

また、公開された映像は限られているものの「イスラエルが主張していたハマスの『指令センター』としては、十分なものには見えない」と分析しています。

BBCはどの国際メディアも病院を直接取材できておらず、イスラエル側の主張が正しいかどうか確認できていないとしたうえで「イスラエル軍は攻撃を正当化するためにも現時点でわかっていることを最大限、示そうとしているようだ」と伝えています。

錦田教授「動画は非常に疑わしい」

イスラエル軍がシファ病院の中でハマスの作戦の指揮所や武器などを見つけたと主張して公開した動画について、パレスチナとイスラエルの政治に詳しい慶應義塾大学の錦田愛子教授は「動画は非常に疑わしいと言わざるをえない。銃が整然とマットの上に並べられていて、病院に突入した直後の様子とは思えず、指揮所というにはあまりにも規模が小さすぎる」と述べ、イスラエル軍の主張に疑問を投げかけています。

そして「イスラエル軍としては、シファ病院にハマスの拠点があると、これまでずっと言ってきたため、何らかの証拠を出さない限り、これまでの行為を正当化できないとして病院に突入し、動画を公開した可能性はある」と指摘しました。

さらに「イスラエル軍としては、人質の釈放や痕跡のほか、狙っているハマスのトップの幹部が死亡したと称せられるような証拠が出てこない限りは、戦闘の手を緩めるわけにはいかないだろう」と述べるとともに、イスラエル軍が今後も病院がハマスの拠点だと主張してそこを標的に攻撃を続ける可能性があると指摘しました。

国連安保理 戦闘休止求める決議採択 軍事衝突後初

国連の安全保障理事会では15日、日本時間の16日午前5時半すぎ、ガザ地区の子どもの人道状況を改善するための戦闘の休止を求める決議が賛成多数で採択されました。安保理では一連の衝突が始まってからこの1か月あまりで、事態の打開を目指す決議案が4回にわたって否決されていて、決議が採択されたのはこれが初めてです。

決議案は、ガザ地区の人道状況が悪化し、とりわけ子どもに深刻な影響が及んでいると深い懸念を示した上で、子どもを含む民間人の保護を義務づけた国際法を順守し、子どもに必要な支援物資を搬入するために、人道目的の戦闘の休止などを求めるものです。

採決の結果、日本やフランス、中国など12か国が賛成、アメリカ、イギリス、ロシアの3か国が棄権し、賛成多数で決議が採択されました。

安保理ではこれまで、イスラエルを擁護するアメリカとパレスチナを支持するロシアや中国の対立などから、事態の打開を目指す決議案が4回にわたり否決されてきましたが、ガザ地区で4600人以上の子どもが犠牲になる中、子どもの人道状況の改善に焦点をあてることで各国が歩み寄り、初めて決議が採択されました。

一方、棄権したアメリカは「決議はハマスのテロを非難していない」と不満を示したのに対し、同じく棄権したロシアは「戦闘の休止ではなく即時停戦が必要だ」と主張し、それぞれ立場から決議は不十分だという考えを示しました。

またイスラエルは、「安保理は現実からかけ離れた決議を採択した」と反発した上で、ハマスに対する軍事作戦を継続する姿勢を表明していて、今回の決議が事態の打開につながるのか楽観できない情勢です。

国連安保理 ガザ決議の採択の背景

国連安保理では、イスラエル軍とハマスの軍事衝突が始まって以降、1か月以上にわたって事態打開を目指す決議の採択が模索されてきましたが、▽イスラエルを擁護するアメリカと▽パレスチナを支持する立場のロシアや中国が対立し、決議案は4回も否決されてきました。

しかし、外交筋によりますと、ガザ地区での民間人の犠牲が増え続ける中で、安保理が何ら行動をとれない事態が続けば、いずれの理事国も責任を問われるという危機感が広がり、アメリカもこれ以上決議案に反対すれば、国際社会の批判の矛先がみずからに向きかねないことを、懸念していたということです。

常任理事国同士の対立が解けず、非常任理事国が中心となって妥協案が模索される中で、マルタが子どもの人道状況の改善に焦点を絞った提案を行い、その案を軸に各国が折り合える決議の文言が検討されてきました。

その結果、アメリカは採決にあたり、マルタ案にハマスに対する非難が盛り込まれていないことに苦言を呈し、イスラエルに寄り添う姿勢を示しながらも、決議には反対せず棄権することで、採択を妨害するのを避けたものと見られます。

一方のロシアは「即時停戦」にこだわる立場からマルタ案は不十分だとして、採決直前に修正案も出してアメリカなどに揺さぶりをかけましたが、最終的に決議に反対すればみずからも非難を免れないため、同じく棄権したものと見られます。

パレスチナ保健当局 ガザ地区で1万1320人死亡

パレスチナの保健当局は15日、一連の衝突でガザ地区では1万1320人が死亡し、このうち4650人が子どもだったと発表しました。

この情報は14日時点のものだということです。

ガザ地区北部の病院では通信状況が極めて悪く、情報の更新が困難になっているとしています。

一方、イスラエル側ではこれまでにおよそ1200人が死亡していて、双方の死者は1万2000人を超えています。

UNICEF事務局長「助け必要な子ども大勢いる」

UNICEF=国連児童基金のラッセル事務局長は15日、ロイター通信とのインタビューで、前日にガザ地区南部のハンユニスにあるナセル病院を訪問したことを明らかにしました。

この中でラッセル事務局長は「病院の中にも外にも毛布を持った人たちが床で寝泊まりしていた。どの階にも避難している人たちがいた」と述べ、病院が多くの住民であふれかえっていたと証言しました。

その上で、「少なくとも4600人の子どもたちが犠牲になったとみられ、何千人もがけがをし、がれきの下敷きになっている子どもたちもいる。悲惨な状況だ」と訴えました。

そして、「私たちの助けを必要としている子どもたちが大勢いて、できるかぎりの努力はしているが、安全に働けることが必要だ」と述べ、一刻も早い停戦を改めて求めました。

ガザ地区に初めて燃料運ばれる 人道危機改善は不透明

イスラエルによる封鎖で燃料が不足し、人道危機に陥っているパレスチナのガザ地区に初めて燃料が運び込まれました。

ただ、イスラエルは燃料の使用を支援物資の輸送に限定していて、人道危機の改善につながるかは予断を許さない状況です。

ガザ地区と境界を接する隣国エジプトから15日、燃料を積んだトラック1台がラファ検問所を通過してガザ地区南部へ入りました。

燃料の搬入はイスラム組織ハマスと軍事衝突が始まり、イスラエルがガザ地区の完全封鎖に踏み切って以降、初めてで、これまではイスラエル側がハマスによる軍事目的での利用のおそれがあるとして、認めてきませんでした。

しかし、初めて燃料が運び込まれたものの、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は、運び込まれた燃料は2万3000リットルあまりと、ガザ地区の人々の命を守るのに必要な1日の量のわずか9%に過ぎないとして、不満をあらわにしました。

さらにUNRWAは、イスラエル側が搬入された燃料の使用をラファ検問所から届けられた支援物資の輸送に限定しているとして、病院の運営や井戸水のくみ上げに使用する燃料が不足していると訴えています。

今後も継続して燃料が運び込まれ、ガザ地区の人道危機が改善するかは予断を許さない状況です。

子どもたちの支援急務

UNICEF=国連児童基金はイスラエル軍による攻撃が続くガザ地区で、家を追われた150万人のうち、およそ半数は子どもで、62万5000人の子どもが教育を受けられない状況に陥っていると分析しています。

そして、▽およそ6割の学校が被害を受けているのに加え、▽多くが避難所として使われているとして、「子どもたちの大多数が家を追われ、心に傷を負うような状況を目の当たりにしているだけでなく安全に遊ぶ場所がない」と警鐘を鳴らしています。

こうした中、パレスチナの赤新月社はガザ地区南部のハンユニスで行った、子どもたちを支援する活動の動画を15日、SNSに投稿しました。

動画では、子どもたちが輪になって手を叩いたり飛び跳ねたりするレクリエーション活動を行っていて、時折、笑い声が上がっています。

赤新月社は「子どもたちの不安や恐怖を和らげ、笑顔を取り戻すことを目的に取り組んでいる」とコメントしていて、死と隣り合わせの日々で精神的に追い詰められる子どもたちの支援が求められています。

トルコ政府 ガザ地区のがん患者受け入れ

ガザ地区の人道危機が深刻化する中、トルコ政府はガザ地区から退避したがん患者らを受け入れ、治療を続けることにしています。

16日未明、トルコの首都アンカラの空港に到着したのは、がん患者ら27人と付き添いの人たちあわせて40人です。

トルコ保健省によりますと、一行は15日にガザ地区南部のラファ検問所を出てエジプト側に退避し、その後、トルコの政府専用機と輸送機でトルコに向かったということです。

パレスチナの保健当局は今月1日、ガザ地区で唯一、がんの治療を専門に行う病院がイスラエル軍による攻撃で機能停止に陥ったとして、がん患者の命が脅かされていると訴えていました。

トルコのコジャ保健相は、報道陣に対して、エジプト当局がガザ地区からの患者の第三国への搬送を認めるのは初めてだとしたうえで、「イスラエルの保健相とも連絡をとっていて、今後も集中治療を必要とする患者をトルコに搬送する要請を出している」と述べ、引き続き患者の受け入れを続けたい意向を示しています。

また、トルコ政府はこれまでに野外病院の資材をエジプトに送っていて、ガザ地区に設営すべく、イスラエル、エジプトと協議を続けているとしています。

少なくともジャーナリスト42人死亡 NPO発表

ニューヨークに本部があり、報道の自由を守る活動をしている国際的なNPO「CPJ=ジャーナリスト保護委員会」は15日、イスラム組織ハマスとイスラエル軍との一連の衝突で先月7日から今月15日までに少なくとも42人のジャーナリストが死亡したと発表しました。

42人の内訳はパレスチナ人が37人、イスラエル人が4人、レバノン人が1人で、パレスチナ人ジャーナリストの死者はこの2週間で9人増えています。

また、9人のジャーナリストが負傷したほか、3人が行方不明、13人が拘束されたとしています。

CPJはこのほかにもジャーナリストが死亡したり拘束されたりしたなどという多数の未確認情報があり、調査を行っているとしています。

イギリスBBC 記者がシファ病院で取材

イギリスの公共放送BBCは、イスラエル軍の同行のもと、記者がシファ病院の中で取材することを許されたと伝えました。

ただ、滞在時間はかなり限られていて、シファ病院で直接医師や患者と話すことは許されなかったとしています。

BBCの記者によりますと、イスラエル軍からは、MRI検査が行われる部屋の廊下に、小さな3つの隠し場所があり、銃や防弾チョッキ、手投げ弾が見つかったほか、MRIスキャナーの背後に、自動小銃が隠されていたという説明を受けたということです。

また、「軍事兵器」というタイトルのパンフレットなどを見せられ、ハマスが発行したものだと説明されたとしています。

そのほか、人質の写真やビデオが入ったノートパソコンがあったと説明されたとしていますが、記者はパソコンの中に実際に何が入っているかは確認できなかったということです。

記者は取材の後、「イスラエル軍から医療器具の中に隠されていたという武器などを見せられたが、本当の証拠として、病院の地下に張り巡らされたトンネルにある拠点を示す必要がある。イスラエル軍はなぜ作戦を実行したのかを証明する必要に迫られている」と話しています。