社会

窃盗容疑で逮捕の警部補“認知症の高齢者宅で現金を盗んだ”

捜査で訪れた住宅から現金などを盗んだとして逮捕された京都府警察本部の警部補が、警察の任意の調べに「ほかにも認知症の高齢者の家に防犯指導の名目で訪問し、現金を盗んだ」などと説明していたことが、捜査関係者への取材でわかりました。特殊詐欺の被害を防ぐために金融機関が警察に提供した情報を悪用し、被害額は1000万円を超える疑いがあるということです。

京都府警察本部の捜査2課に所属する警部補の林謙司 容疑者(57)は、伏見警察署に勤務していた4年前、京都市内で遺体が見つかり、事件性がないか捜査するために亡くなった人の自宅を訪れた際、現金およそ10万円や腕時計を盗んだとして、16日、窃盗の疑いで逮捕されました。

警察の調べに対し、容疑を認めているということです。

捜査関係者によりますと警部補は盗んだ時計は買い取り業者に持ち込み換金していたということです。

このほかにも、林警部補が、「認知症の高齢者の家に防犯指導の名目で訪問し、現金を盗んだ」などと、これまでの任意の調べに対して、説明していたことが、捜査関係者への取材でわかりました。

捜査関係者によりますと特殊詐欺などの被害を防ぐため、警察は金融機関で多額の現金が引き出された際に不審な点があれば通報するよう求めていて、警部補はこうした情報を職場で得て高齢者の自宅を把握したうえで、認知症の人をねらうケースもあったということです。

被害額は1000万円を超える疑いがあり一部は時効になっているということです。

警察は、業務上知り得た情報を悪用し、盗みを繰り返していたとみて捜査しています。

警部補は、これまで、警察署や警察本部で主に詐欺などの知能犯の捜査を担当してきたということです。

専門家 “警察官がやった極めて悪質な事案 厳正に対処を”

今回の事件について、警察の捜査に詳しい常磐大学の諸澤英道 元学長は「一般の人が出来心で盗んだのとは違い、職務権限を持った警察官がやった極めて悪質な事案だ。京都府警察本部は、国民が納得できる原因究明を行い、厳正に対処するべきだ」と指摘しました。

逮捕された警部補が、職務で知った情報を悪用していた疑いがあることについては「多くの人は警察官を信頼しているので、悪いことをやろうとすればできてしまう。警察官が職務権限で行える捜査の範囲は、一般の人はわからないため、止めることは難しい」と話していました。

そのうえで「警察の捜査権は大きな力で、警察内部でもチェックしているが、多くの人に関心を持ってもらい、警察が厳正な職務執行をしているか目を光らせることが再発防止につながると思う」としています。

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