野球 明治神宮大会開幕 高校の部 星稜が広陵破り準々決勝進出

野球の明治神宮大会が開幕し、高校の部の1回戦で、石川の星稜高校がこの大会2年連続準優勝の広島の広陵高校に7対6で勝ち、準々決勝に進みました。

毎年秋に行われる野球の明治神宮大会は、高校の部と大学の部に分かれて行われ▽高校の部は各地の秋の地区大会で優勝した10校が、▽大学の部には各地の秋のリーグ戦の優勝校など11校が出場しています。

大会は15日から1回戦が始まり、高校の部の第2試合は北信越大会で優勝し、4年ぶりの出場となる星稜と、中国大会を制し、この大会おととし、去年と準優勝の広陵が対戦し、甲子園の常連校どうしによる好カードとなりました。

星稜は、1回に3点を先制されましたが3回、4番の萩原獅士選手と6番 能美誠也選手が、ともに2点タイムリーヒットを打つなど打者一巡の攻撃で一挙5点を奪い逆転しました。

援護を受けた先発の佐宗翼投手は、立ち上がりに失点しましたが、打たせて取るテンポのよいピッチングで2回以降は立ち直り、9回に1点差まで追い上げられましたが、124球を投げ抜いて完投しました。

星稜が7対6で接戦を制し準々決勝に進みました。

一方、広陵は1回、ノーアウト満塁のチャンスで4番 只石貫太選手の走者一掃のタイムリーツーベースで3点を先制し、9回も3本のヒットで2点を返す粘りを見せるなど相手を上回る11本のヒットを打ちましたが、3回の5失点が大きく響き初戦で敗れました。

星稜 山下監督「選手たちが粘って頑張ってくれた」

星稜高校の山下智将監督は「相手のピッチャーが本当にいいピッチャーできょうは打てないから少ないチャンスをしっかりものにしようと話していた。初めての神宮球場で硬さがあった上に、非常に強い相手で苦しい試合だったが、選手たちが粘って頑張ってくれた」と振り返りました。

そして次の試合に向けて「星稜は守って、攻められる時に攻めて、少ないチャンスをものにするという戦い方しかできないので、もう一回守備などを見直して次戦に臨みたい」と意気込みを話しました。

星稜 佐宗投手「次もしっかり勝ち抜く」

9回を完投した星稜高校のエース、佐宗翼投手は「初回は、初めてのグラウンドということもあり、今までにない緊張感で自分の投球ができなかったが、ベンチでみんなが『3点くらい取り返してやる』と言ってくれたので、次の回からは失点しないようにできた。次も苦しい試合になるとは思うが、気持ちでは負けずにしっかり勝ち抜いていきたい」と話していました。

広陵 高尾投手「まっすぐが甘いところに」

敗れた広島の広陵高校の先発、高尾響投手は、3回に一挙5点を奪われた場面について「入りは3人で絶対に抑えるという気持ちで投げてよかったが、3回に自分の不利なカウントになって打たれていった。まっすぐが甘いところに入り、変化球でもストライクがとれずにまっすぐ頼りになったところで点数を取られてしまいました」と話しました。

そして、来年の春のセンバツ大会や夏の大会を見据え「冬に変化球を中心に投げ込みをしっかりして、最後まで投げ切れる力をつけたい。1年生のときから、日本一の野球を目標にしてやってきているので、春も夏も日本一をとれるように頑張りたい」と話していました。

大学の部1回戦 日本文理大が大阪商業大に勝利

大学の部も1回戦が始まり、第1試合は2年連続出場の大阪商業大と7年ぶりの出場となる日本文理大の顔合わせとなりました。

日本文理大は1回に1点を先制し、3回には2アウト二塁三塁のチャンスで5番 中溝治尋選手が、西武からドラフト2位で指名を受けた大阪商業大の先発、上田大河投手から2点タイムリースリーベースを打つなど3点を追加してリードを広げました。

投げては、先発の新里勇人投手が変化球を効果的に使ったピッチングで6回途中まで投げ、相手打線をヒット1本、無失点に抑える好投を見せました。

打線が12安打を打った日本文理大は、中盤以降も得点を重ねて7対3で勝ち、準々決勝に進みました。

大阪商業大の先発、上田投手は勝負どころでコントロールが甘くなり4回を6安打4失点と試合を作れず、打線も9回に2点を返す粘りを見せましたが、初戦突破はなりませんでした。

日本文理大 中溝選手「うれしすぎて覚えてない」

3安打3打点と活躍した日本文理大の中溝治尋選手は、3回に2点タイムリースリーベースを打った場面について「きのうの夜から上田投手というすごいピッチャーと対戦できると思い、打ってやろうという気持ちが強かったのですごくうれしかった。うれしすぎて、覚えてないぐらいで、自信というか、今まで練習してきてよかったと思った」と話しました。

そして、青山学院大との準々決勝については「強い相手ばかりで、自分たちはチャレンジャー精神で戦っているので、どんな相手でも粘って競り合って勝つような野球をして、日本一をとりたい」と力強く話していました。

日本文理大 新里投手「修正して投げることができよかった」

6回途中まで投げヒット1本、無失点に抑えた日本文理大の先発、新里勇人投手は「前半はフォアボールを出してしまったが、修正して6回まで投げることができてよかった。全体的にまっすぐを低めに投げることができ、持ち球のチェンジアップを生かすピッチングができました」と試合を振り返りました。

そのうえで、準々決勝に向けて「次、戦う青山学院大学はトップレベルのチームだと思っているので、学べるところは学んで最終的には勝ちにいきたい」と意気込みを話しました。

大阪商業大 上田投手「神宮で終われて幸せ プロで結果を」

ことしのドラフトで西武から2位で指名を受けた大阪商業大の先発、上田大河投手は、4回を6安打4失点の内容に「常にランナーを出してしまって自分がちゃんと投げきればこういう結果にならなかったと思う。今までたくさん投げさせてもらい絶対に勝たなきゃいけないところで勝てなかったことが、まだまだ甘い、自分の弱さだと思った」と悔しそうに振り返りました。

そして、今後に向けて「負けたけれど神宮で大学野球を終われて幸せだった。大学の名に恥じないようにプロで結果を残したい」と力強く話しました。