バーチャルスポーツ共同研究へ ローイング国際競技団体と覚書

オンラインで競う「バーチャルスポーツ」を国内で推進するため、日本スポーツ振興センターがバーチャル空間でボートをこいで競う「インドアローイング」の普及に力を入れているローイングの国際競技団体と覚書を交わし、今後、人材交流や共同研究などを進めていくことになりました。

体を動かしてオンラインで競う「バーチャルスポーツ」や、コンピューターゲームなどの「eスポーツ」は、若者を中心に世界で広がりを見せていて、IOC=国際オリンピック委員会はことし6月に世界大会を開いたほか、先月には新たな大会を創設する構想も発表するなど、動きを活発化させています。

こうした動きを日本国内でも推進するためスポーツの科学的な研究などを行っている日本スポーツ振興センターは14日、スイスで、ローイングの国際競技団体「ワールドローイング」と覚書を交わしました。

ワールドローイングは、ボートをこぐ動作を陸上で行うローイングマシンという機器を使ってバーチャル空間で競う「インドアローイング」の普及に力を入れていて、覚書では、人材交流や共同研究、それに国際会議やセミナーでの研究成果の発表などで協力していくことが盛り込まれています。

日本スポーツ振興センターは、今回の連携によって、「バーチャルスポーツ」の国内での普及や導入に向けた体制づくりのきっかけにしたい考えです。

日本スポーツ振興センター理事長「大きな成果を期待」

日本スポーツ振興センターの芦立訓理事長は「双方の持つリソースを生かし、バーチャルスポーツ分野の連携領域・活動の大きな成果を期待している。競技力向上だけでなくライフパフォーマンスの向上へ応用することで、スポーツ振興と、活力ある多様な国際社会の発展に貢献するために主導的な役割を果たしたい」というコメントを出しました。

ワールドローイングの会長「大きな可能性引き出すことに貢献」

また、ワールドローイングのジャン・クリストフ・ロラン会長は「インドアローイングは、世界中のローイング選手をバーチャルにつなぎ、フィットネスとローイング愛好家の多様なコミュニティを育んでいる。今回のパートナーシップは、インドアローイングの大きな可能性を引き出すことに貢献するものだ」とコメントしています。